どんなところで暮らしているのかな?
(2019年7月12日)
  
 みなさんは、動物園で動物をみたとき、どんな言葉がでてきますか。

「かわいい!」「大きい!」「くさい!」「おもしろい!」「きれい!」「こわい!」「たのしい!」…感じ方は人それぞれ、どれも正解ですし、動物園を楽しんでくれているのなら、それに越したことはありません。

しかし!実は動物園には“お客様に楽しい時間を提供する”という役割以外にも、“教育施設としてお客様に動物の生態やそれらをとりまく環境について学んでいただく”という役割があります。
(他にも、研究や保全などの役割があるんですよ。)

「かわいい」だけで終わりではなく、お客様にもう一歩踏み込んで動物に興味を持ってもらうことが私たち飼育係の役目であり、腕のみせどころです。

アナホリフクロウは、キジ舎の中でも群を抜く人気物。裏で作業をしていると、たくさんのお客様から「かわいい!」という声をいただきます。でもだいたいはそれだけで通り過ぎてしまいます。おや、このフクロウはどんな場所で暮らしているのかな?とは、なかなかならないのが現実です。 

そこで、お隣のオーストラリアガマグチヨタカの展示場にユーカリの苗を植えたように、アナホリフクロウの展示場も、もう少し生息地に寄せてみることにしました。

 アナホリフクロウが暮らしているのは南北アメリカ大陸の砂漠や草原です。2016年に開催されたリオ・オリンピックではゴルフ場に野生のアナホリフクロウが登場し、話題になりましたよね。ただ、ゴルフ場を再現するのはなんだか違う気がします…。そこで、アナホリフクロウを現地でみたことがある!という飼育係(大ベテランです)を見つけ、その情報を元に、プチリフォームを実施。イメージしたのは「ソノラ砂漠」です。大きなサボテンがたくさん生えていて、低い木や草が広がっています。

まずは、多肉植物のアロエを増殖!アロエは、大宮公園事務所からいただきました。アロエだけではさみしいので、その他2種類の多肉植物も植えました。さらに、殺風景な背景をどうにかしようと、パンパスグラスを仕入れ、植栽。

 現地に生えている植物を植えたいのはやまやまでしたが、気候や環境の違いでうまく育たなかったり、飼育作業の妨げになってしまったり、という問題点もあるため、なるべく雰囲気の似た植物を探して、生息地に近づけました。

現時点では、ここまでがプチリフォームの経過です。

さあお客様の反応はいかに!と思っていたのですが、残念ながら今のところはプチリフォームについて感想を述べてくれる方や、生息地についての疑問を述べてくれる方には出会えておりません。しかし、これにとどまらず改良を重ね、いつかは「このフクロウは野生ではどんなところで暮らしているのかな?」「もしかして砂漠かな?」など「かわいい」の一歩先の声をひきだせたらと思っています。

(齊藤)

 



 

 いつの日か
(2017年4月15日)
 
         

4月になり、だんだんと気温があたたかくなり動物たちも元気に動き始めた今日この頃。私がウコッケイの清掃をしていると「とっても小さいね」「可愛い」「穴を掘るんだってー」と隣の部屋のアナホリフクロウのお話が聞こえてきます。ですが、実はアナホリフクロウは「穴掘り」と名前に入っていますが、実際は穴を掘りません。

アナホリフクロウは、アメリカ大陸の草原に生息する昼行性の猛禽類で、地面の穴をすみかにしています。巣穴は自ら掘るのではなく、プレリードッグの古巣などを利用しています。

前担当者が作製したアナホリフクロウの展示場には、巣穴に見立てた塩ビ管と石で囲った穴があります。ちなみに飼育係はアナホリフクロウが巣穴を使っているところを見たことがないそうです…。一生懸命に作った展示場、一度でいいので巣穴に入っているところを見て、前担当者に伝えたいと思う現担当者でした。


(清水)




 名前が決まりました。
(2016年5月15日)
 
         

417日の飼育の日のイベントでアナホリフクロウの命名式を行いました。予め担当者が用意した候補は、『フー』、『フク』、『ケーナ』、『アパッチ』の4つです。小雨の降る中のイベントでしたが、9人の参加者に集まっていただき、多数決で『ケーナ』に決まりました。ケーナとは、アナホリフクロウの生息地である南アメリカの楽器の名前です。参加していただいた皆様ありがとうございました。
展示を開始してから1か月が過ぎ、少しずつ少しずつ人気を集めているケーナ。これからは、名前で呼んでもらえるといいね。


(滝澤)




 お待たせしました
(2016年3月15日)
 
  

3月15日からアナホリフクロウの展示を開始しました。アナホリフクロウを飼育している動物園は少なく、動物園ではお目にかかる機会は少ないと思いますよ。また、フクロウ?と思って会いにくると、とても小さいことに驚くとともに、その可愛さに癒されること間違いなし!きっとこれから大宮公園小動物園のスターになってくれる・・・はず。そのくらいの可愛さです。親バカならぬ担当バカになってしまいそう・・・。皆さん、めずらしくて可愛らしいアナホリフクロウにぜひ会いに来てくださいね!


(滝澤)




 展示場づくり
(2016年2月29日)
 


さて、暖かくなってきた春先にお披露目すると前回の記事でお話ししたアナホリフクロウ。皆さんにお見せするために現在は展示場づくりに勤しんでいます。アナホリフクロウは南北アメリカ大陸の砂漠や草原、農地に生息する昼行性のフクロウ。そのため展示場も少し砂漠を意識して作っています。またプレーリードッグの古巣や地面に掘った巣穴を棲家とするため、巣穴をイメージした家も用意してみました。気に入ってくれるかはわかりませんが・・・。ほとんど出来上がった展示場ですが、まだまだ改善の余地があり、試行錯誤中。おそらく3月中には皆さんにお見せ出来ると思いますのでそれまで楽しみにしておいてください!(アナホリフクロウ舎は、キジ舎の並びにあります。)


(滝澤)
 




やってきました!
(2016年1月30日)

    

高知県にある「のいち動物公園」から動物交換でアナホリフクロウのメスがやってきました。
検疫(新しく来た動物が病気などになってないかの検査)は無事に終わりましたが、暖かい検疫室から寒い冬の時期に外に出すのは動物の命にもかかわるため、もう少し暖かくなってきたら展示場に出したいと思っています。それまで皆さんが見ることはできませんが、暖かくなってくる春先まで楽しみをとっておいてくださいね!



(滝澤)


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