人の見分け方
(2015年10月28日)
 
  
 
飼育係になって、良かったなぁと思う事の1つに、「獣舎の中に入り、動物を直接触れる。」事があげられます。来園者に「良いなぁ〜」なんて羨ましがられることも、少なくありません。毎日、掃除や給餌をしているので、動物たちも飼育係が近くに来れば、「何か餌が貰えるカモ」と思っているのか、おのずと近寄ってくることもあります。
しかしながら、例外もあります。そのうちの1つがフライングケージのフラミンゴ。
彼らは、掃除の際、飼育係から一番遠い所である陸地へ行きます。エサを用意して飼育係がいなくなるまで、その場にとどまっている事が多く、コチラを警戒している雰囲気が否めません。昼には、日の当たる所で、長い首を背に乗せ休んでいたりしますが、飼育係が近づくとある程度距離を取っている感じ・・・。フラミンゴを背に写真を撮っている来園者の様に、近距離で写真を撮りたくても無理だったりする事も・・・。しかし、試しに私服で写真を撮りに行った所、手を伸ばせば届きそうな程近くで撮る事が出来ました。

他の動物もそうですが、もしかしたら、動物側も飼育係と来園者をユニフォームなどによって見分けているのかもしれませんね。


(藪)




 エビ?!
(2013年11月15日)
 
 

バナメイエビ、芝エビ、ブラックタイガー、車エビ、イセエビ、ロブスターと、なにかとエビの話題がニュースとなっている昨今ですが、動物園でエビと言って私が思い浮かぶのは、オキアミです。

 オキアミにはアスタキサンチンという赤い色素が含まれていて動物園では、フラミンゴの鮮やかなピンク色を保つために、餌にオキアミを混ぜて与えています。フラミンゴは、赤い色素を摂取しないと、だんだん羽の色が白くなってしまうのです。鮭の身の色がサーモンピンクなのも、オキアミを摂取しているからです。
フラミンゴの給餌をしていると、「フラミンゴは、エビを食べるんですね!」と観ていたお客さんによくきかれます。

釣りの餌として、あるいはヒゲクジラの餌としても有名なオキアミは、エビに似ていますが、分類学的には、エビの仲間ではありません。オキアミを「桜エビです」と言ったら、それこそ「誤表示」となってしまうので、ご用心!

(おまけ)毎日、高級な桜エビを与えられるほど、動物園の飼料費は、裕福ではございません…。


(白井)




長い旅の方法
(2011年11月29日)

   

シロフクロウのタイガとの交換で岡山県にある「池田動物園」から2羽がやってきました。
「とりたちのらくえん」のオオフラミンゴと一緒にして、繁殖までつなげていくことがねらいです。

岡山県を朝出発して、12時間という長い旅をして大宮公園小動物園まで来ましたが、動物の移動にはいろいろと気をつけなければいけないことがあります。

まず、フラミンゴの仲間は細く長い脚が特徴です。見る分にはきれいですが、輸送となると大変です。細い脚は折れやすいので、運転も急発進や急ブレーキはしないように気をつけます。また、どこかにひっかけたりしないようにしなければいけません。飛ぶための大きな羽も、折れてしまう危険性があります。ですから輸送の際は羽を開くことができないように、幅がギリギリの輸送用の箱を用意します。
オオフラミンゴの幅ピッタリの箱なんてものはそう都合よくあるわけではありません。ですからそのようなときには手作りで作ります。
幅はどうだろう?背の高さは?狭いながらもできるだけ安心して運ぶことのできる箱を作るためには、動物の習性などをよく考えなければいけません。飼育係の腕の見せ所でもあります。

そんな努力のかいもあり、2羽は無事にやってきました。
もうしばらく検疫ののち、とりたちのらくえんへ移動する予定です。新しいなかまが来て群れの雰囲気が変わってくれることを祈ります。


(藤嶋)




Copyright(C) OMIYA PARK ZOO 2011-2017