見た目じゃ判断できない (2020年10月30日) |
フサオマキザル舎の前を通るとき、「渋い顔してるなぁ」なんて思いながらカンペイの顔をいつも見ていました。ちょっとコワモテなカンペイに私は興味津々だったので、園路から「カンペー」と呼んでみたものの、眉間にしわを寄せたまま渋い顔でこちらをチラっと横目で見るだけでした。「おぉやっぱり渋いなぁ」なんて思っていたのですが、その後変化が。フサオマキザル舎の掃除に今まで入る機会がなかったのですが時々入るようになり、掃除に入ったその日からカンペイの反応が変わりました。今まで「カンペー」と呼んでも渋い顔でチラっと見るだけだったのが、こちらを見て「お!」というような表情をするようになりました。たった1回掃除に入っただけでこうも違うものか?と思いながらもたった1回何かきっかけがあるだけで認識出来るんだなと賢さに感心しました。カンペイには大好きな常連さんと少し苦手な警備員さんがいるようで、認識しているのは飼育係だけではないようです。ただ、数多くいる来園者を1度で認識することは至難の業ですので、おそらくこの方々は1度ではなく何度か接して認識したのだと思います。大好きな常連さんが来ると物凄く嬉しそうにはしゃぎますが、苦手な警備員さんがくると、警備員さんの姿が見えなくなるまで「キーキー」怒ったように声を上げて騒ぎます。大好きな常連さんは来るたびに遊んでくれるので、よく遊んでくれる楽しい人と認識してるようですが、よく園内を見回りに来る警備員さんは、いつも前を通り過ぎるだけで特にカンペイに何かしたというわけではなさそうなのですが何かが気に食わないようです…。カンペイは何事にも動じない男だと思っていたのでびっくりしましたが、人の顔をちゃんと認識し感情を表現しているのを見て好き嫌いがあることを知りました。今のところ私にはどっちの反応もなく「おっ!」という顔をして近づいてくるだけなので好きでも嫌いでもないようです。一見コワモテのカンペイですが、顔見知りになると違う顔を見せてくれます。何を見て好き嫌いを判断しているのかは分かりませんが、積極的にカンペイに接してみたら大好きになってくれるかもしれません。その逆もあると思いますが…。 |
カンペイの休園日 (2020年5月29日) |
世界中が大変な中で、動物園のことを気にしてくださる方、いつもありがとうございます。休園中、「さみしいけれど動物にとっては、静かでのんびりできて、きっといいのよね」という動物目線の優しいお言葉もたくさんいただいています。来園者数と動物のストレスについてはいくつかの種で研究がされていますが、個人的にはすべての動物種がそうであるとも限らないだろうなぁと思います。例えばフサオマキザルのカンペイ。彼は普段、来園者をよく観察していて好き嫌いもしっかりあります。かなり遠くからでも人間を認識して反応しているんですよ。彼は、休園日が退屈かもしれません。 休園日がつづいたある日、そっとフサオマキザルの放飼場をのぞいてみると、カンペイはガラス面の前にいました。何をしているのかよく見てみると、ヒマワリの種をフチに並べて置き、肘をつきながらそれを食べ、お隣シシオザルファミリーの観察をしていました。なるほど、人間観察だけじゃなくて、サル観察もするのね。そのときのカンペイの姿が柿の種を食べながら野球中継をみるおじさんのようでおもわず笑ってしまいました。カンペイが私に気づいてしまい、おじさん姿の写真がとれなくて残念。またみつけたらこっそりご報告します。 (齊藤) |
目指せ!東京オリンピック!? (2015年8月29日) |
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皆さん、東京オリンピックで追加種目となったスポーツクライミングをご存知ですか?ボルダリングと言えば分かる人もいますかね?当園でもボルダリングで東京オリンピックを目指しているサルがいるんですよ〜。その名もカンペイ(オス)とオカムー(メス)です。フサオマキザルは、とても力持ちで、手先も器用、南米のチンパンジーとも呼ばれるほど賢いサルです。道具を使うことも出来るんですよ〜。そのため、フサオマキザルの能力を披露するのにボルダリングは適しているのでは?という事で獣舎の一部の壁をボルダリング仕様にしてみました。最初は、警戒して全く近づいてくれませんでしたが今では写真のように使ってくれます。(もちろん餌は必要ですが・・・。)餌がない時は全く使ってくれませんのでご了承ください。どうしてもボルダリング姿を見てみたい方は12月23日の祝日15時15分から行われるフサオマキザルのおやつタイムにいらしてください。こんな姿が見られるはず・・・。4年後の東京オリンピックまでに上達しなくちゃね?カンペイ、オカムー? スポーツクライミングが有名になりますように! (滝澤) |
賢さを見に来てね! (2015年8月29日) |
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みなさん、23日が日曜、祝日の場合の特別イベントをご存知ですか? その名も「フサオマキザルのおやつタイム」です。 23日、「フサ」という語呂合わせですが・・・。このイベントは、南米のチンパンジーとも呼ばれる、フサオマキザルの賢さを皆さんに少しでも理解してもらおうというイベントです。 おやつタイムということでもちろん餌をあげるわけですが、賢いフサオマキザルに少し意地悪をします。硬い殻があるクルミや割れたら中身が出てきてしまう生卵、皮をむかずにバナナを与えてみたりなど「どういう風に餌を食べるのか?」を観察していただきます。この時、フサオマキザルの賢い一面をみることが出来るんです。残念ながらホームページでこれ以上説明してイベントの時に来ていただけないのは寂しいので、説明はこの辺で!! 気になる方はぜひ、23日が日曜、祝日の日に大宮公園小動物園に遊びにきてくださいね!15時15分から、フサオマキザル舎の前でお待ちしてますよ〜! (滝澤) |
いじわる? (2014年12月15日) |
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先日、南米のチンパンジーと呼ばれるほど賢いフサオマキザルにちょっといじわるをしてみました。それはなにかというと、生卵をあげた後に殻がついたままのゆで卵を与えたことです。生卵は、フサオマキザルのおやつタイムというイベントの時などに与えたことがあるため食べ方はもちろん知っています。木や鉄パイプに優しくコツンとあてて開いた穴からゴクゴクと飲んでいきます。(左の写真)しかし、ゆで卵は殻がついてないものは何度も食べていますが、殻つきのままは初めて与えてみました。なぜ、そんなことしたのかと言うと・・・ただただ賢いフサオマキザルは違いを見抜けるのか?と僕が疑問に思ったからなんですが・・・笑 その結果は・・・ やはり、違いは見抜けませんでした。生卵と同じようにコツンと一生懸命あてていましたが、割れないことがわかると最終的には殻を剥いて食べていました。(右の写真)それもそうです。なんせ初めてですから・・・賢いといっても学習能力が高いということです。初めから理解しているわけではありません。トレーニングが大切です。僕の目標としてはフサオマキザルが瞬時に生卵とゆで卵の違いを見抜き、それぞれに合った食べ方を出来るようになった姿を、皆さんにお見せ出来ればフサオマキザルの賢さをより伝えることが出来るのではないかと思っています。実現できるまでしばしお待ちください。 こなかったりして・・・笑 (滝澤) |
天井にかける橋 (2009年4月30日) |
工夫第3弾は、運動場の上に設置した幅約20cmの板で作った橋です。 今までは鉄パイプや丸太といった比較的細い渡り木でした。 そこで今度は、渡りやすいように幅広のものを設置しました。 渡り木の上には餌も置けて、彼らもゆっくり休めるのではないかと思いながらの製作でした。 また、橋の下にも細い板をつけてそこにも餌を隠せるようにしました。 4/20に設置しました。設置後数日は、警戒するのかあまり近寄りません。 いつも大抵そんな感じなので、しばらくしたら使うだろうなと様子をみていました。 しかし10日経った今日もあまり使っている様子はありません。 置いてある餌を取りに乗ることはあるのですが、それ以外はあまり利用していません。 平らな板はしっかりつかめないので安心して渡れないのか? 餌を取りに行くときも、尾を巻きつけられる距離の場所では柵から尾が離れません。 ちょっと予想外でしたが、高いところで飛んだり跳ねたりしている彼らの慎重な一面が見られました。 (担当 藤嶋) |
ホースのグルグルロープ (2009年2月18日) |
工夫第2弾は、タイトルのとおりホースのロープです。 古くなった消防用ホースを渡り木の代わりに運動場につるして移動や遊び用の道具にするというのは以前からおこなっていました。 しかし、フサオマキザルはブラブラするのが嫌なのかあまり使っていない様子でした。 ニホンザルは乗って揺らして遊んだりしているのですが…。 そこで今回工夫したのは、ホースをねじるということ。 ただそれだけなのですが、ツル植物のように細くなり彼らには持ちやすくなるかなと考えました。というわけで、ホースをネジネジしていると。。。 「んっ!」 真ん中に空洞ができるじゃないですか!あたりまえなのですが。 けれど、そこに餌を隠してみたらおもしろいのではないか?と考えてしまったのです。 さっそく実験。ねじったロープを張って、餌を仕込みます。 運動場に出てきた彼らは、いろいろな場所で餌を探しながらホースに近付きます。 そしておもむろにつかむと、木の皮をかじるようにホースの中の餌を食べました。 ただ、ホースを渡るのは嫌なのか、中央あたりにに隠した餌は近くの止まり木にぶら下がって食べていました。 しばらく続けていくうちに、彼らは他の取り方も考えるかもしれません。 (担当 藤嶋) |
運動場のリニューアル (2009年2月10日) |
渡り木がかじられたり、古くなったりしてきたため、フサオマキザルの運動場のレイアウトをリニューアルすることにしました。 リニューアルするにあたって考えたことが2つあります。 ・ レイアウトを簡単に変えるようにできないか? ・ いろいろな行動を引き出せないか? ある文献によると、彼らは餌を得るために石や、木の枝を使うこともあるそうです。 そんないろいろなことを考えて実行できる彼らですから、ときどき渡り木のレイアウトが変わることで楽しい生活ができるのではないかと考えました。 そこで、鉄パイプで支柱を組んで、それに丸太やロープなどをつけることにしました。 今までは長い丸太で渡り木を組んでいたので交換がとても大変で時間がかかりました。 この方法にすることで短い丸太でできるようになり、交換が簡単になりました。 とはいえ、3m程の高さにある鉄パイプの上で作業するのは冷や汗が止まりません。 今日までにやっと土台ができあがりました。 そして行動を引き出せるような工夫もいくつか考えました。 今回載せるのは、「ぶらぶら丸太」です。 これは、丸太を鎖でぶら下げたものです。 丸太には穴が開いていて、穴のいくつかには餌が詰められています。 このぶらぶらと安定しない丸太に対して、彼らは鉄パイプに尻尾を絡めて逆さにぶら下がったり飛びついたり、ときには地面から丸太を揺らしたり試行錯誤しながら餌をとります。 とても活動的で見ていて飽きません。 彼らも楽しんでくれているでしょうか? 今後、彼らがどう行動するかも調査したいと考えています。 このように、動物のいろいろな行動を引き出し、動物たちの生活を豊かにする工夫は「環境エンリッチメント」と呼ばれ、最近ではさまざまな動物園で行われています。 このほかの工夫もこれから少しずつ動物日誌に載せる予定ですのでお楽しみに! (担当 藤嶋) |
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