遅い誕生
(2011年8月12日)



今年はニホンザルは春には繁殖せず、7月17日に最初の子どもがうまれました。
お腹の中に長いこといたのか、この子はなかなか成長が早く、2週間ほどで、ちょこちょこと母親から離れて歩いたり、柵にしがみついたりしています。けれどもちょっと驚くと、「キーッ!」と高い声をあげます。すぐに母親がやってきてすっとお腹に抱えて抱きしめます。母親の愛情がひしひしと伝わってきます。

動物たちはほんとに個性豊かです。じっくり観察してみると、それぞれの様子がよくわかりますよ。


(藤嶋)




運動場改修
(2011年3月24日)

  

当園のニホンザルの運動場には、丸太やパイプがジャングルジムのように組まれています。この上で休んだり遊んだりと生活の多くを過ごしています。
生活するだけでなく、雑食性の彼らはこの丸太をかじって食べてしまったり、皮をはがして遊んだりするのでしばらく使うとボロボロになってしまうのです。
そこで、2日がかりでこの改修を行いました。

まずは、かじられて細くなってしまった丸太を小さく切って外に運び出します。そのあとに長い丸太を運び入れてボルトとナットで組み上げていきます。
できるだけいろいろな行動ができるように、また、遊び道具を追加できるようにと試行錯誤です。
今回はタイヤでブランコも作ってみました。春にまた出産ラッシュになったら子供のサルたちがたくさん遊んでくれたらいいなと想像はふくらみます。

やっと完成した運動場に、扉を開けて彼らを移動させると…、上の方の居心地がいいのか、餌のとき以外はてっぺんの方にいることが多くなってしまいました。
木の上で長い時間生活する彼らにとってはいいのかもしれませんが、観察するにはちょっと見えにくくなってしまいました。そんなに高さのある施設ではないので、見えないことはありませんが、みなさんの肩がこってしまうかもしれません。最近は少しずつ下の方でも生活していますが。

動物の快適さと見えやすさ、両立させるのはなかなか難しいです。
もしも見えにくい動物がいるときは、彼らの快適さのことも考えてみてください。
しかし、それらを両立させることが私たちの仕事でもあります。見にくいなぁとか動物にストレスがかかっていそうだなぁとか、何か気づいたら気軽にお話しください。
みなさんがどう感じたかを教えていただければ、少しずつでもそれを活かして動物にも観察者にもやさしい動物園にしていきたいと思っています。


(藤嶋)




今年2頭目!
(2010年7月26日)



3年連続で「キサラギ」に赤ちゃんが誕生したのは、7月11日のことです。
6月の後半位からお腹がかなり目立ち始め、まだかまだかと思っていたところの出産でした。

うまれた子はとても大きく立派でした。4月にうまれた「ハヅキ」の子は小さめだったので、比べると大きく見えるのかとも思っていましたが、1週間ほどでヨチヨチと歩いている姿も見ることができました。やはり母親のお腹の中でしっかり成長していたようです。

野生のニホンザルは通常1年おきに出産するといわれています。しかし、動物園では栄養のある食事が十分にあるため、毎年出産するようです。

今年のニホンザル舎はとてもにぎやかです。
一生懸命子育てしている姿や、昨年、一昨年にうまれたやんちゃなこどもが元気よく駆け回っている姿をぜひ見にきてください。


(藤嶋)




今年も赤ちゃんが誕生しました。
(2010年4月20日)

  

毎年、うれしいお知らせが続いているニホンザルですが、飼育の日の「4月19日」に新たな命が誕生しました。
今回の母親、「ハヅキ」は昨年、一昨年出産した「キサラギ」よりも神経質でしっかり赤ちゃんを隠すように抱いています。なのでなかなか姿をはっきり見ることができません。
他の個体とちょっとだけ距離を置いた高い位置に陣取り、しっかりと赤ちゃんを抱きしめている姿を見ると母親としての頼もしさを感じることができます。
子育てに関しても、1頭1頭個性があることを改めて感じました。

この親子の様子をみなさんも、やさしく見守ってあげてください。また、それぞれの子育ての様子を比べてみてください。


(藤嶋)




お実くじ
(2010年3月27日)

  


ニホンザルの展示場には、時々筒が転がっていることがあります。みなさん気が付きましたか?
その名も「お実くじ」。名前は最近ひらめいてつけてみました。

この筒は、竹などを使っており、中は空洞です。
ここに食べ物をいれて、展示場に入れるのです。
彼らは写真のように、これを振り回したり転がしたりします。
すると、ところどころに開いた穴から、食べ物が出てきます。

これを観察するととてもおもしろいですよ。
じょうずに自分で筒を振って食べるもの。他のサルが振り出した食べ物を横から取っていってしまうもの。高いところまで持っていってしまい、食べ物が地面に落ちて食べられないもの。
みんな動きも活発になります。

氷川神社でおみくじを引いたあとは、ぜひニホンザルの「お実くじ」も見ていってください。


(藤嶋)




寒さにまけるな!
(2010年2月23日)



今年は寒い日が続きましたね。
多くの動物たちは寒さが苦手で、ニホンザルたちも体を寄せあっていました。

そんな日に、少しでもあたたかくなってもらおうと、蒸したバナナを熱々であげてみました。
手に持った瞬間、いつもと違う熱いバナナにびっくりして投げ捨てて逃げてしまいました。
しかし、気になるようで少しづつ近寄ってきて一口パクリ。
その後は地面にこすり付けて冷ましてから食べる個体や、ハフハフとほおばる個体、持って冷めるまで持って移動する個体などみんな思い思いに食べていました。

他園でチンパンジーに熱々みかんをあげたら大喜びだったと聞いてまねをしてみましたが、当園のニホンザルも喜んでくれたようです。
いろいろな動物園でも、寒い冬を動物たちが少しでも快適に過ごせるように工夫しています。
少し暖かくなってきましたが、そんな工夫を探しに近くの動物園に遊びにいってみませんか?

ちなみに同じ蒸しバナナをケナガクモザルにもあげましたが、彼らは熱いのが嫌だったようで冷めるまで近寄ってもきませんでした。
反応は動物によってさまざまです。


(藤嶋)




誕生!
(2009年6月12日)

 

6月6日に今年もニホンザルの赤ちゃんが誕生しました。
お母さんは去年も出産した個体で、もうベテランです。

出産の前日まで昨年の子がよく抱かれていたのですが、赤ちゃんが生まれたとたんにすっかり母親から離れていきました。
そして、今年も出産した当日、担当の僕はお休みだったのです。。。
またしても1番に赤ちゃんを見ることができませんでした。

そんな気持ちとは関係なく、赤ちゃんは順調に育っているようで、ひと安心です。
今後も、この赤ちゃんの様子をみなさんもあたたかく見守ってください。


(藤嶋)




マイクロチップ
(2008年11月25日)


左:マイクロチップの入った注射針(針の先端に入っています。)
中:識別をする機械
右:終わった後の子ザルと母ザル


ニホンザルは半年以内に個体識別のために体の中にマイクロチップを入れなければいけません。
5月に生まれた子ザルも、もうすぐ生後半年。捕まえて入れることになりました。

11月25日は休園日。準備をしてサル舎に入ります。
僕もニホンザルの担当になって約半年。初めて捕獲に挑戦することになりました。
運動場では網がとどかないところに逃げられてしまうため、寝室で捕まえます。
大きな網を持って寝室に入ると、みんな大騒ぎで逃げ回ります。
時間がかかるとサルにストレスがかかってしまうので、いそいで捕まえようとしましたがなかなかうまくいかず、やっとのことで捕まえることができました。
いくつかの検査もするために、麻酔をかけて眠らせます。
ふだんできない体重測定もこの機会におこないました。

思い通りに捕まえられない自分の未熟さを痛感した仕事でした。。。
2週間経った今でも、子ザルは僕と目を合わせようとしません。


ちなみにマイクロチップは長さ約1cm、直径約2mmのとても小さな筒のような形をしています。
これを注射針で背中に打ちこみます。
通常、左右の肩甲骨の間に入れるのですが、ニホンザルは毛づくろいをするときにつまんで壊してしまうことがあります。そこで壊されないように左の肩甲骨の裏側にいれます。
読み取る機械を近づけると15桁の数字で識別できます。
同じ番号のマイクロチップは1つもありません。

(藤嶋)



 

生後24日目
(2008年6月9日)

 

だいぶ大きくなってきたあかちゃん。1ヶ月経っていませんがすくすく成長しています。
今月初めくらいから、朝運動場に出ると、母ザルにしがみついたまま一緒に餌を食べるようになりました。けれどまだ手は使わず、直接口で餌をくわえようとします。
そして、少しずつお腹から離れて遊ぶようになってきました。

何にでも興味があり、夢中で遊んでいて、時々母ザルにとめられてしまいます。
大きくなるまでにいろいろやってくれることでしょう。これからも目が離せません。

(藤嶋)


ニホンザルのあかちゃんが産まれました。
(2008年5月17日)

  うまれて2日目の様子


5月17日の朝にニホンザルが出産しました。
当園では2年ぶりの赤ちゃんになります。

産まれた当日、僕はお休みだったのですが、2番手の担当者が朝来たときにはすでに生まれていたということでした。
数日は母ザルがとても警戒して赤ちゃんがあまり見えませんでしたが、今ではお腹に抱かれたかわいらしい姿が見られます。

そっと見ていると地面をちょこちょこ歩く姿も見られるかもしれません。
日に日に成長していく子ザルに、ぜひ会いに来てください!

(藤嶋)



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