よくまちがえられています
ツル・カピバラ担当 小高
2021年2月28日
多くの方が「知っている」この鳥の名前をごぞんじでしょうか?
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展示場の前で「ツルだ!」と声を上げ、種別ラベル(動物の基礎情報が書かれている看板)の和名「タンチョウ」を見て、「なんだ~ツルじゃないんだ」という不思議そうな声。動物の名前は難しい。タンチョウはツルです。ツルの仲間は15種類。その中で和名が「~ヅル」ではないのがタンチョウです。よって、「タンチョウヅル」という名前の鳥はいません。ただ、日本ではただ単にツルという言い方をした場合にはタンチョウをさすこともあります。ですから「ツル」と「タンチョウ」は正解で、「タンチョウヅル」は間違いなんですね。
では次はこちら。
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「ニホンアナグマ」と書いてあります。「にほん」に「くま」です。「あっ、クマか!」確かに日本にはクマが生息していますが、これは違います。「アナグマ」です。里山にすむ私たちの隣人ですが、夜行性なのと有名なタヌキと混同されてメジャーにはなれなかったようです。でも、大切な日本の固有種ですよ。「アカハナグマ」こちらも「あっクマか!」と言われてしまいますが、もちろん違います。他の種に比べて体の色が赤(赤茶)いので、「アカ・ハナグマ」です。種別ラベルの英名を見ていただくとわかるのですが、どちらもクマを表す単語は使われていません。よくわからない名前を見たときは英名を読んでみることが理解の手助けになるかもしれません。
今度はこちら。
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「シシオザル」と「フサオマキザル」どちらもサルです。ひっかけ問題ではありません。シシオザルはその名の通り、ライオン(獅子)のしっぽのような尾を持つサルという意味で「シシオ・ザル」です。では、フサフサの尾を持つサルだからフサオマキザルでしょうか?違います。頭の毛が房のように見えるので「フサ・オマキザル」。オマキザルの仲間です。名前には姿かたちの特徴からつけられたものがたくさんありますね。
最後にもう一つ。
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よくまちがえられるのは「カピパラ」、そして意外なことに「アルパカ」。名前に濁音や半濁音が入ると記憶しにくくなるのでしょうか。なんとな~く覚えているつもりが記憶違いだったりするのでしょうね。
ヒトより優れた聴覚を持つ動物たち。ヒトの言動は自分たちには関係しないので気にしないのが普通なのでしょうが、耳に入ってきた自分の名前が間違っていたら、「それ、ちがうから!」なんて言っているかもしれませんね。