可愛さそれぞれ
田村飼育係
2021年9月15日
先日の高校生クイズで「日本の動物園で一番飼育している頭数が多い動物は何?」という問題の回答として出てきたテンジクネズミ。テレビでは一般の方が理解しやすいようにするためか「モルモット」と出ていましたが、モルモットというのは俗称で正式名称はテンジクネズミです。テンジクネズミは基本的におとなしい動物なのでふれあい動物として全国の動物園でよく飼育されています。当園でもテンジクネズミを飼育しており、ふれあいでは大人気の動物です。そんなふれあいで大活躍のテンジクネズミたちですが、現在は新型コロナウイルスの影響によりイベントやふれあいができず出番がなくなってしまいました。約1年半ほど来園者の方の前に出られていないので今回はテンジクネズミの話を個体紹介も少しかねてしたいと思います。
テンジクネズミといったら、
これ。むしろこの種類しか知らない。という人もいるかもしれませんね。
こちらは「イングリッシュ」という短毛の品種で、最もよく知られている種類です。ペットショップなどでもよく見かけます。
実際に当園でも一番多く飼育している種類です。
しかし、テンジクネズミにも犬や猫のようにいろんな品種があるんです。
例えばこちらの品種。
・・・ん?最初のと何が違うの?
と思った人もいると思いますが、この品種にはつむじがあります。
こちらは「クレステッド」という品種です。体の毛の長さはイングリッシュとあまり変わらないですが、おでこの毛が少し長くなっています。前から見ると冠のように見えるので、このおでこの毛を「冠毛」といいます。さらに特徴的なのはこの冠毛の色と体毛の色が同じ色の種類は「イングリッシュクレステッド」と呼び、体毛と色が違う場合は「アメリカンクレステッド」と呼びます。マリーは体にも白色があり冠毛も白いので「イングリッシュクレステッド」です。このイングリッシュクレステッドは他にも何頭か飼育しています。
キララは体の毛色と冠毛の色が違うのでアメリカンクレステッド。写真のように基本的に冠毛の色が白色なためホワイトクレステッドとも呼ばれています。
続いてこちらは「アビシニアン」という品種。
寝癖がいっぱいついてしまったわけではなく全身につむじがあり、つむじから渦を巻くようにうねうねと巻き毛になっています。
古くから知られている品種で、この種も日本でよく見かけます。
そしてこちらは「シェルティ」という長毛の品種です。
やわらかい毛質で、頭の毛も長いですが頭頂部の毛はそこまで伸びず脇の毛が長く伸びるのが特徴です。
さらさらとした長い毛が上品な長毛種ですが、毛が柔らかくすぐに絡まってしまうのでこまめにトリミングやブラシ掛けをしています。
そして最後にこのぽわんとした雰囲気の持ち主。
「テディ」という品種で、毛が縮れているのが特徴です。短毛でふわふわとした毛が生えています。
そうすけはおっとりした性格なのでこのフワフワした体と相まってさらに雰囲気がゆるーいです。
そうすけはオスなので、残念ながらふれあいには出ませんが展示には出す予定です。そろそろ涼しくなってきたら展示を再開する予定ですので機会があれば会いに来てください。
紹介していない個体もまだまだいますが、全頭紹介すると果てしなくなってしまうのでここらへんで紹介を終わりにしたいと思います。
他の個体についてはふれあいが再開するまでのお楽しみということで。
また、今回当園にいる品種を紹介しましたがテンジクネズミにはほかにも違う品種がいます。興味がある方はぜひ調べてみてくださいね!