大宮公園小動物園

三種の歴史と未来に繋がったこと[1]

山本飼育係

2021年11月30日

フライングケージには様々な鳥がいます。

今回はその中のガンについてお話しします。

まず、ガンとはどのような鳥かというと、カモ目カモ科に分類される鳥です。

姿はカモによく似ていますが、ガンの方が体が大きいです。

他にもカモは雑食で、昼行性と夜行性のものがいて、オスは派手な種が多いのに対し、

ガンはほぼ草食で、主に昼間活動し、オスもメスも羽根の色が変わらないなどの違いがあります。

日本にも飛来する渡り鳥なので、一部の地域では野生のものを見ることができます。

 

当園ではインドガン、カナダガン、ハワイガンの3種類を飼育しています。

共通して名前の中に地名が入っているので、おぼえやすいかなと思います。

インドガン

カナダガン

ハワイガン

今回はカナダガンを詳しく紹介します。

カナダガンは2羽います。この3種の中では一番大きなガンです。

生息地はカナダやアメリカなのですが、過去に日本に輸入されたものが逃げ出し、野生化でかなりの数が増えてしまいました。

そうなると、日本の在来種のシジュウカラガンとの交雑(異なる種との繁殖)や農作物への被害が起こり、日本の生態系に大きな影響をあたえてしまいます。

それを防ぐため、国が捕獲作業を何年もかけて行いました。

その結果、現在では国内に野生のカナダガンはいなくなり、自然を守ることに繋がりました。

これは日本の外来生物としては初めてのことです。

当園の2羽はこのとき捕獲された個体です。

 

カナダガン

 カナダガンの普段の様子はとてもおとなしいです。

 でも、飼育係が近づくと「シュー」と声を出し、つついてくるような行動をします。

 なので、あまり近づきすぎないよう一定の距離をとるようにしています。

 

 動物園にはこのように環境問題に大きく関わる動物も飼育しています。

 動物を見る際、自然保護についても注目してもらえたらいいなと思います。

 次回の[2]でもガンについて詳しくお話しますので、楽しみにお待ちください。

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