プイプイの定着
田村飼育係
2022年3月15日
厳しい寒さも和らぎ、すっかり春らしくなってきましたね。
暖かくなってきたのでテンジクネズミの展示を再開しました。
展示は2スペースあり片方にはオス一頭、もう片方には2月21日に生まれた3頭の赤ちゃんとお母さんが一緒に展示に出ています。
テンジクネズミを展示するとよく聞こえてくるのが「ネズミだって~」「なんかモルモットみたい」「ハムスター?ウサギ?」などなど、いったい何者なのだろうという声。
しかし、最近はその聞こえてくる声が変わってきました。
テンジクネズミを見るなり「あ!モ○カーだ!」「これモ○カーと同じ動物だよね」「リアルモ○カー」などの声が非常に多く聞こえてきます。
さらにテンジクネズミの赤ちゃんを「ちびモ○カー」「ベビーモ○カー」と呼んでいる人までいました。
今まで「何者?」と言われていた動物はいつの間にか「モ○カー」として定着していました。
世間一般では「モルモット」としてよく知られていますが、それはあだ名のようなもので正式名称は「テンジクネズミ」です。
ただ、不思議なことに以前はそのよく知られているはずの「モルモット」の実物を知らない人が意外にも多く、今見ている動物が何か分からないまま種別ラベルを見ると、「テンジクネズミ」と書いてあるのでさらに何だか分からないという状況に陥っている人を何度か見受けました。
最近は動物を見て「モ○カー」(モルモット)だと分かった上で種別ラベルを見る人が増えており、種別ラベルの説明を読んで正式名称がテンジクネズミなのだと理解してくれる人が増えたように感じます。
モ○カー効果絶大。
ここまで認識度が違うとは…。
さらに、「モ○カー」の凄さを思い知らされた出来事が。
一組の親子がテンジクネズミを見ており、その様子からは「テンジクネズミ=モルモット」ということは分かっていないようでした。しかしテンジクネズミが鳴いたとき、「あ、モ○カーと同じ鳴き声だね。プイプイって言ってる。じゃあこれはモルモットなんだね~」という会話をしており、びっくり。
今まで何度も「モルモットって鳴くんですか?」「どんな鳴き声なんですか?」という質問を受けてきました。テンジクネズミが鳴くということさえ知られていなかったのに、今ではどんな風に鳴くのかまで知っており、鳴き声で「モルモット」と認識できていることに驚きでした。
ひとつのアニメでここまでたくさんの人が関心を持ってくれて、知識を持ってくれるようになるのかと改めてアニメの影響力の凄さを実感しました。また、それと同時にたくさんの人が関心を持ち、正しい知識を持ってくれることにとてもうれしく思いました。
私たち飼育係も少しでもたくさんの人に動物に関心を持ってもらいたいと日々情報を発信しています。たくさんの人に関心を持ってもらうことはなかなか簡単ではないと分かっているだけに「モ○カー」のような、人々が関心を持つきっかけになるアニメはとても大きいものです。このようなアニメがもっと増えたらいいな、とふと思ってしまうモ○カーフィーバーです。