壊される楽しみ
佐々木飼育係
2022年10月31日
私が担当しているサル類(ニホンザル・シシオザル・フサオマキザル・
ブラウンケナガクモザル)は手先が器用だったり、噛む力が強かったり
することから、物を壊されることは日常茶飯事です。
最近では、ニホンザルとフサオマキザルの放飼場に設置した蔓(ツル)が良い例です。
秋口に園内で太く長い蔓が手に入ったので、それぞれの放飼場に止まり木代わりに設置してみることにしました。
放飼場の端から端へ渡してみたのですが、期待に反し、彼らはその上を伝い歩くことはなく、手に届くところをかじるばかりでした。
設置から1か月もすると、ニホンザルに設置した蔓は途中で噛み千切られてしまいました。
伝い歩く姿が見られなかったことは残念ですが、それはそれで良いのです。
なぜならば、すぐに物を壊すニホンザルからすれば1か月もてば良い方ですし、その間、齧り道具として彼らの退屈しのぎに役立ったのならば十分でしょう。
しかも、千切れたとはいえまだまだ齧る部分は残っているので、これからも齧り道具として役立ってくれることと思います。
一方のフサオマキザルに設置した蔓は、一部分が齧られてボロボロになってはいますがまだ千切れずに残っています。
こちらもいつまで齧り道具として残るか楽しみなところです。
こちらの意図通りにいかず物を壊されることは残念なところではありますが、
いじったり齧ったり、別な用途で役立ってくれればそれはそれで本望なのです。