大宮公園小動物園

飛躍のピョンピョン

田村飼育係

2023年1月15日

今年の干支は卯(ウサギ)。

ということでウサギの展示を開始しました。

展示に出ているのはカイウサギのノア()。ノアは真っ黒な毛色をしているため、あまり目立ちはしないもののやはり今年の主役、展示場の前でノアと一緒に写真を撮る人をよく見かけるほど人気です。

展示

ウサギはピョンピョン跳ねて移動することから「飛躍」「前進」を連想させ「困難を乗り越えられる」「とんとん拍子で物事が進む」という意味で縁起が良い動物としてよく知られています。

ピョンピョンして可愛いな、なんて何気なく見てしまいますがウサギのこのピョンピョン、実は侮れないんです。

ウサギは骨格筋(関節など骨格の可動部を動かす筋肉)の量が体重の50パーセントを越えるといわれており実はとてもマッチョ。ヒトの男性の平均骨格筋量は32.935.7パーセントくらいと言われているので比べるとそのマッチョ具合が分かると思います。とくに発達しているのが後肢の大きな筋肉。ウサギは前肢と後肢の長さが違います。長い後肢と強力な筋肉は地面を力強く蹴ってジャンプしながら敵から逃げるのにも、山の斜面を一気に駆け上がるのにも適しています。藪などの茂みに単独で暮らしているノウサギは時速60キロくらいで走る(飛び跳ねる)といわれています。

ちなみにペットとして飼われているカイウサギの祖先は穴の中に群れで暮らしているアナウサギです。アナウサギの場合、巣穴までダッシュで逃げればいいのでそこまで速くないといわれていますがそれでも逃げ足は速く、その速さは後肢の立派な筋肉から生まれます。時々ノアからウサキック(抱える際に後ろ足で蹴ってくる)を受けることがありますが、なかなか強い。以前ウサキックと調べたことがあるのですが、リモコンで叩かれるくらいという表現がされていました…。

前肢と後肢

少し話がそれましたが、長距離ではなくその瞬間に全力で逃げて、目の前の捕食者をかわすので、後肢の筋肉の質(特にノウサギ)は瞬発的な力を発揮する筋肉(速筋)が多くなっているといわれています。また、一般的に動物は踏み切るときに足を動かすタイミングを少しずらしますが、ウサギは両足同時に踏み切る「うさぎ跳び」しかできないのも特徴です。両足で踏み切ることにより大きな力で飛ぶことができるので素早く逃げることができるのです。

 何気なく見ていた可愛いピョンピョンは野生を生き抜くための能力が備わった俊敏なマッチョのピョンピョンでした。そう思うとより飛躍できそうな気がしますね。ちょっと可愛くはないですが…。

実際にピョンピョン跳ねる姿は可愛いので是非ノアに会いに来てください。


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