大宮公園小動物園

生物の進化を辿る

山本飼育係

2023年2月28日

フライングケージでは鳥類だけでなく、爬虫類も展示しています。ケヅメリクガメのカメキチです。(残念ながら現在は鳥インフルエンザ感染防止対策により見ることができません。)

カメは爬虫類の中でも、とても歴史の古い動物です。では、どのような歴史があるのか。今回はカメの進化についてお話しします。

かめきち
日光浴するカメキチ
かめきち
餌を食べるカメキチ

まず、爬虫類は約3億年前の古生代に誕生しました。そこから、トカゲやヘビ、ワニやカメなどへ進化していきましたが、カメは2億5000万年前に「主竜類」と呼ばれるワニや鳥のグループから派生しました。実はこの2億5000万年前は生物誕生以来、史上最大級の大量絶滅(隕石の衝突説)が起こった時代です。カメは大量絶滅期の前後に独自の進化を遂げて、現代まで生き延びてきた生物の1つです。

生物の系統樹

 2億2000万年前にはオドントケリスという最古のカメが中国に生息していました。背側の甲羅が不完全ではありますが、現代のカメに近い姿をしています。さらにその1000万年後には、プロガノケリスというリクガメが誕生しました。すでにこの頃には、カメ類特有の甲羅は完成していました。その後も海棲のアーケロンや陸棲のメイオラニアなど、ほとんど姿を変えずに進化を続けてきました。

最古のカメ オドントリケス

そして現在、世界にはおよそ300種類のカメがいます。2億年以上も繁栄してきた逞しい力は、現代を生きるカメキチにも受け継がれていると思います。

祖先の力を受け継ぐカメキチ

私は古代生物が好きで、進化について詳しく調べたりします。「温故知新」(昔の事柄を調べて、新たな知識を得ること)。この言葉のように、皆さんも好きな動物のルーツを探り、どんな生活をしていたのか想像して、ロマンを感じてみると面白いですよ。

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