オウムたちの展示再開イベント
田村飼育係
2023年6月15日
6月15日はオウムインコデー!
ということでオウムインコデーにちなみ、鳥インフルエンザ対策で長らく展示を休止していたオウムたちの展示再開イベントを行いました。
オウムインコデーは2006年に日本動物園水族館協会によって制定されたもので、6月15日は06(オウム)15(インコ)の語呂合わせです。
言葉をしゃべったり、羽根の色がきれいだったり、人に慣れやすい性格だったり、そんな特徴から人気のあるオウム、インコですが、実は野生では生息地である森林が土地の開発や農業の拡大によって破壊されてしまったり、ペットとして人気があるので密猟者によって乱獲されてしまったりして数が激減し、絶滅の危機に瀕しています。
そういった現状にあるオウムやインコの仲間についてたくさんの人に知ってもらうためにオウムインコデーが定められました。この日に合わせて日本各地の動物園でオウムインコデーにちなむイベントが行われています。
イベントを行った日は30度を超える真夏日でしたが、オウムたちの展示再開を心待ちにしてくれていた方もいたようでたくさんの方が参加してくれました。
展示再開イベントということで、バックヤードから久しぶりにオウム舎に帰ってきたオウムたちの反応を一緒に観察してもらいました。
オウムたちがバックヤードにいる間にオウム舎を新しく整備し、床にウッドチップを敷き、枝葉を入れ、止まり木も新しくしました。
そしてオオバタンの部屋には巣箱も設置しました。
というのも、バックヤードにいる間オオバタンが数十年ぶりに卵を産みました!
産んだ卵は残念ながら無精卵だったので雛が孵ることはありませんでしたが、オスメス交互に卵を抱く様子が見られたので繁殖を願って巣箱を設置しました。
色々変わっているオウム舎にどんな反応をするのかワクワクしながら観察していると、しばらく止まり木に止まった後、ウッドチップにも枝葉にも反応せず園路側の格子に張り付きこちらを見ているオウムたち。あれ、意外にも反応が薄い…?と一瞬思いましたがオウムたちは新しくなっているオウム舎より久しぶりの来園者とのふれあいがうれしかったようです。その後も来園者とのふれあいを楽しんでいる様子が見られました。イベント当日は戻ってきて初日ということもあり観察できた反応はこれくらいでした。
数日経つと環境にも慣れてきたようで、徐々に観察できる反応が増えてきました。
ウッドチップを嘴で掘って遊ぶ様子や、枝葉をバリバリちぎって遊ぶ姿も見られるようになりました。
しかし、オオバタンの巣箱はなかなか反応せず。
このままスルーかな?と思っていたある日、
巣箱の上に乗ってる!!
上じゃなくて中なんだよな~なんて思いつつも、ようやく巣箱に触れてくれて安心しました。
このままゆっくりでも慣れてくれればいいなと思っていた2日後。
急にすごい勢いでかじりだした。
入口の穴をガジガジとかじるように!!
これは巣箱として使おうとしてくれている前兆なのか、ただ壊して遊んでいるのかは分りませんが、今後の展開に期待です。
新しく整備をしたオウム舎にいろんな反応を見せてくれたオウムたち。その反応を見て来園者が微笑ましく観察しているのを見ると嬉しく思います。
今後もオウムたちが快適に過ごせる環境づくりをし、オウムたちのいろんな行動や表情を見て、よりたくさんの人に魅力が伝わるように努力していきたいと思います。