動物園の植物管理
山本飼育係
2023年8月31日
青々と草木が生い茂る夏。フライングケージの植物も勢いよく成長しています。
今回は植物の紹介とその管理内容についてお話しします。
ヤブガラシ・・・つるを伸ばして植物に絡みつき、藪を覆って枯らしてしまうほど広がることからこの名前がつきました。放っておくとどんどん伸びていくので、こまめに取っていきます。実はヤブガラシはケヅメリクガメの大好物。取ったあとはカメキチに与えます。
ネズミモチ・・・果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることが名前の由来です。剪定したネズミモチはクビワペッカリーに与えます。
動物園では、除草や剪定した植物をただ捨てるのではなく、動物の餌として有効活用しています。また、通常の給餌にプラスして与えることにより、動物にも良い刺激になります。
除草する植物の中にはこんなものもあります。
ヨウシュヤマゴボウ・・・根がゴボウに似ていることから名づけられましたが、有毒な植物なので食用にはできません。次々に生えてくるヤマゴボウ、抜くのに日々追われています。給餌してもよい植物かどうか、見極める知識も必要です。
除草をするだけではなく、植物が少ない場所には飼育係が植栽することもあります。
シダの仲間・・・種子を作らずに胞子で増えるため花は咲きませんが、とても特徴的な形をしています。植物が少なかったギンガオサイチョウ舎の横がより自然らしい景観になりました。
アオキ・・・葉が年中青く、冬になると赤い果実をつけます。フラミンゴ池の後ろの壁沿いに植えることで、コンクリートの壁が見えなくなります。また、いつでも青々とした植物を展示できます。
フライングケージは鳥類の飼育だけではなく、植物の管理も行っています。これからも知識を深め、より良い自然環境を再現できたらいいなと思います。ぜひ鳥類と合わせて植物も観察してください。
まだまだ暑い日が続きます。熱中症にならないように休憩しながらご観覧ください。