大宮公園小動物園

「冬」の準備

鈴木飼育係

2024年11月25日

10月以降どんどん気温が下がってきて、秋が深まりましたね。ということは、もうすぐ冬が来るということです。
皆さんのご家庭では、衣替えをしたりこたつを出したり、冬の準備は始めましたか?

動物園で暮らす動物の中にも寒さに弱い種類がいます。
今回は、小動物園で行っている寒さ対策についてご紹介したいと思います。

《サル舎》
サル舎を下から見上げると上部にヒーターが設置してあります。
気温が下がる時期はこれらの電源を入れ、寒いときはサルたちがその前で暖をとれるようにします。
しかしこのヒーターは展示場の中ではなく、外側に設置してあります。
サルが触って壊してしまったり、火傷してしまったりすることを防ぐためです。
またヒーター付近の格子にはトリカルネットを張り、サルが手を伸ばすことができないようにもなっています。

クモザル
ヒーターで暖をとるブラウンケナガクモザル


ヒーター
設置したトリカルネットとヒーター

《リスザル舎・検疫舎(インコ類)》
リスザル舎には、窓になっている部分と格子がはまっている部分があります。
格子の部分からは風が通るようになっているので、
冬の間は北風が吹きこまないように透明なビニールシートを張っています。

リスザル
ビニールシートを張ったリスザル舎


また、現在鳥インフルエンザ対策のために検疫舎で隔離飼育している
インコ類の防寒としても、このビニールシートを使用しています。
ですが、鳥は格子からビニールに届いてしまうと齧って破いてしまうことがあるため、
覆いたいサイズに作成した木枠で格子に直接かからないように距離を取り設置しています。
さらに室内にはサル類と同じく、直接触れられない位置にコルツヒーターを設置しています。 

検疫舎
木枠とビニールシートを設置した検疫舎

 
《小獣舎》
小獣舎で暮らすニホンアナグマは、北海道と沖縄を除く日本全域で野生動物として
生息する動物なのでヒーターなどは使用しませんが、代わりに寝室の小窓をアクリル板で塞いだり、
巣箱の中に乾草を入れてあげたり、展示場には大量の落ち葉を追加してあげたりして対策をしています。

シマスカンクとアカハナグマは日本より比較的温暖な地域に生息する動物なので、
寝室には床暖になっている部分があったり、展示場ではヒーターを設置したりしています。

シマスカンク
ヒーター上で寝るシマスカンク



《カピバラ舎》
カピバラも本来暖かい地域に生息する動物ですが、極端な暑さも寒さも苦手な動物です。
なので、夏は展示場に日除けを設置し、東屋も開放的で風通しが良いようにしています。
逆に冬は、東屋の壁をもう一面増やして前方だけが開放されている状態にしています。
東屋で過ごす時間が長いので、壁はアクリル板にして来園者の方が変わらず観察しやすいようにしてあります。
また東屋の天井にも他の動物と同様にコルツヒーターを設置してあり、夜間は温度管理のできる室内に収容しています。

カピバラ
冬の東屋


このように動物園では動物種に合わせて、適切に管理できるように季節を通していろいろな工夫をしています。
以前とどこが変化しているかも合わせて、来園してくださった際には探してみてくださいね。

お問合せ先

〒330-0803 
さいたま市大宮区高鼻町4

大宮公園小動物園管理事務所

電話:048-641-6391(大宮公園事務所)

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