第28回埼玉県都市公園写真コンクール 結果発表
第28回埼玉県都市公園写真コンクール受賞作品
知事賞 『お花のトンネル』 牛島古川公園[第2期](春日部市) 山﨑 唯
【講評】逆光でキラキラ光る花畑を、歩く子供。服の色もコスモスに合わせたかのようです。光、色、ボケ、カメラ位置、画面内の要素が全て揃って、パーフェクト。技術だけでなく、運も味方したハイレベルな作品です。素敵な思い出になりますね。
理事長賞 『公園を飛び越えろ!』 川越水上公園(川越市) 安永 大輔
【講評】切り株がアメリカ・モニュメントバレーにあるような岩山に見えて、こんなスケールの大きな写真をどのようにして撮ったのだろうと、目を疑いました。コメントを見て、ナットク。超広角レンズの特性を活かした、なかばトリック写真。気持ちよく、だまされました。
特選 『まるで北海道!』 智光山公園(狭山市) 山田 理沙
【講評】雪が積もると生活に困る反面、なぜか心のどこかでワクワクする雪。写真にすれば日常が一変。埼玉が雪国のように変わりました。フラッシュ光とボケ効果を活かして、雪降る様子をロマンチックに仕立てたのも効果的でした。
特選 『夜明けのトキメキ』 秩父ミューズパーク(秩父市) 彦久保 秀幸
【講評】秩父の広大な風景とサルスベリが一望できる特等席です。明け方はわずかな時間で様子が大きく変わりますが、淡い空の色などをしっかり捉えています。「早起きは三文の徳」、と言いますが、それ以上の収穫を感じます。
特選 『大空浮遊』 国営武蔵丘陵森林公園(滑川町) 武藤 恒司
【講評】大空に浮かぶカラフルな気球。見ているだけでも、優雅な気分に浸れます。コメントに「気球に乗った」とありましたが、無音で浮遊する感覚はいかがでしたか。雲の配置にも恵まれて、気持ち良い一枚に仕上がっています。
ユーモア賞 『似合うかな?』 川越水上公園(川越市) 小谷野 時行
【講評】スワンボートの頭に自慢げな表情で乗っかるユリカモメ。このようなシーンはたまに見かけますが、望遠レンズを使った背景処理とシンプルな構図で、白い頭が引き立ちました。大きな鳥の上で、さぞかし気持ちいいのでしょう。
ユーモア賞 『ミスコンテスト』 こども動物自然公園(東松山市) 堀越 靖之
【講評】手づくり感たっぷりの顔出し看板で、休日を楽しむ様子が伝わってきます。顔を出してくれたのは会社の同僚とコメントにありますが、ふだんからコミュニケーションがうまく取れている会社なのでしょう。どことなく、コアラに似ているようにも見えてきます。ほのぼのとした雰囲気もいいですね。
ファミリー賞 『おっきな気球』 国営武蔵丘陵森林公園 (滑川町) 小島 美香
【講評】大空に浮かぶ気球をみんなで見上げる光景ですが、あえて表情を見せず、見ている側に想像させるアイデアが秀逸。それぞれの表情を思い浮かべるだけでも、この写真の見る価値があります。画面の縦横比率をスクエアにしたのも視点を集中させるために成功したと言えるでしょう。
ファミリー賞 『ママと一緒に、はいポーズ』 所沢航空記念公園(所沢市) 島田 博司
【講評】カメラの高さを人物と同じくらい低く構えることで、自然な雰囲気で撮れています。ポートレートの王道である望遠レンズを使い、適度に浮かび上がって見えるのも、基本ができているからこそ。光も柔らかく、周辺環境も味方してくれたのでしょう。子供の表情を見ていると、どのような声をかけたのかが気になります。
アニマル賞 『お散歩へ』 さぎ山記念公園(さいたま市) 長谷部 多恵子
【講評】親を一生懸命追いかける子ガモを見るだけでも、頬が緩んできます。きっと周囲を笑顔にしながら、園内を散歩していたのでしょう。背景もシンプルで画面全体をしっかり捉えられていますが、もう少しひねりが加わるとさらに深みの増す一枚になると思います。
アニマル賞 『芯までポカポカ』 こども動物自然公園(東松山市) 小西 直昭
【講評】お湯に浸かるだけでもユーモラスなのに、ゆずは飼育員さんの仕業なのでしょうか。カピバラはもともと温暖なエリアに住む動物だけに、日本の寒さは身にしみることでしょう。画面整理のため、もう一歩近づけば、より表情が強く伝わると思います。
イベント賞 『夏の夜のペンギンヒルズ』 こども動物自然公園(東松山市) 谷 直樹
【講評】昨夏の暑さはペンギンにも辛かったはず。ようやく涼しくなった夜の行水で、ホッとした姿がシルエットから想像できます。水しぶきが逆光でキラキラ光るのは、画面の大きなアクセントになりました。最近のカメラは夜でもきれいに写せます。夜のお出かけにも、カメラを忘れずに。
イベント賞 『真夏の夢』 大和田公園(さいたま市) 守屋 久
【講評】うまく撮れないシーンの代名詞として挙げられる花火写真。美しい半面、その難しさゆえの人気の高さかもしれません。経験則が要求される花火撮影を見事にこなせました。風車との組み合わせも、花火のスケールを伝えるには効果的でした。次回はぜひベストポイントから狙ってください。
入選 『八重のトンネル』川越水上公園(川越市) 秋山 幸樹
【講評】見事な桜並木です。広角レンズを取り付け、カメラを地面すれすれまで下げて、見上げるような構図にしたことで、ボリューム感がアップ。ピンクの濃淡に、緑と青が加わって、彩りも美しくなりました。歩行者はもう少し大きく写すほうが、画面内のポイントになったように思います。
入選 『冷たい散歩道』 こども動物自然公園(東松山市) 赤坂 大樹
【講評】真っ白な新雪の濃淡に影が落ち、質感がよく伝わってきます。しかし、それだけでは面白みにかけますが、ワンポイントとして、鳥が入り画面が引き締まりました。鳥の脚先の見え方から、歩くのを躊躇しているようも見えるから不思議です。光の美しさと鳥のしぐさが決め手になりました。
入選 『レッドガーデン』巾着田曼殊沙華公園(日高市) 山田 圭介
【講評】曼珠沙華の名所ですが、はじめて見るタイプの写真です。記念写真の流れで撮ったものなのか、それとも作風を決めて狙ったポートレートなのかが気になります。うつむき加減の女性の衣装と花畑の光の濃淡が、独特な世界観を醸し出し、セオリーから外した、巧さを感じる一枚です。
入選 『寒い日の公園散歩』見沼自然公園(さいたま市) 日野岡 裕司
【講評】太陽の位置が低く、反射した水面や枝のみの木影が伸びているだけでも冬を連想させるに十分な説得力があります。
モノトーン調の色合いも功を奏しました。一日のはじまりを感じる光景の中に、人と犬のステップがリンクしたシャッタータイミングも良かったですね。
入選 『春の雨』所沢航空記念公園(所沢市) 髙野 拡
【講評】梅の下を歩く子ども。傘の向こうはどんな表情なのか、すごく気を惹かれます。カメラを持ち出す機会が減るため、天気の悪い日の写真は応募が少なめですが、映画のワンシーンのような瞬間にめぐりあえるなら、雨の散歩を楽しそう。ボケを活用して、画面に奥行きと色のアクセントを入れたのもいいですね。
審査員総評
総評
すべて目を通して思うのは、さいたまの公園風景はバラエティに富んでいるということ。緑の里山から、動物園、プール、飛行機、気球、漕艇、サッカー場…。日本じゅう探しても、これほど楽しい施設が揃っている公園はそれほどないでしょう。このような施設が身近にある方々が、日常的に収めた様子ですから、四季折々を楽しく拝見しました。入賞作品は光、アングル、タイミングなどが、マッチした力作ぞろい。写真だけでなく、周囲の様子を想像するだけでも、楽しさや空気が伝わってきます。一年を通して、楽しめる公園風景をこれからもぜひ撮り続けてください。
審査員
写真家 桃井一至 氏
1968年京都府生まれ。1990年よりフリーランスカメラマン。現在は写真撮影をはじめカメラ関係書籍の執筆やWebレポートなどを多数行う。テレビやイベントへの出演も多く、NHK「趣味悠々・デジタル一眼レフ撮影術入門」、NHK「シーン別デジタルカメラ撮影術入門」では講師を務めた。撮影ジャンルは人物・海外風景など。日本写真家協会会員(JPS)、全日本写真連盟/関東本部委員
第28回埼玉県都市公園写真コンクール 概要
題材
埼玉県内の都市公園の風景、諸行事や公園内で憩う人々など
応募期間
平成30年7月1日(日)~平成30年11月30日(金)
応募点数
999点
応募者数
322名
表彰式
平成31年2月23日(土) 所沢航空発祥記念館
入賞作品展
2月23日(土)~ 2月24日(日)所沢航空発祥記念館
2月26日(火)~ 4月7日(日) 県民健康福祉村ときめき元気館
4月9日(火) ~ 5月12日(日)さいたま水族館
5月14日(火)~ 5月30日(木)埼玉県庁本庁舎から第2庁舎の渡り廊下
主催 (公財)埼玉県公園緑地協会
後援 埼玉県、埼玉県教育委員会、朝日新聞さいたま総局、全日本写真連盟
協賛 一般社団法人埼玉県造園業協会、埼玉県カメラ商組合、株式会社三和広告社、キリンビバレッジ株式会社
お問合せ先
〒330-0803
さいたま市大宮区高鼻町4-130
埼玉県公園緑地協会経営企画部
電話:048-640-1593
FAX:048-640-1592