3頭とも無事1歳になりました
東園(二場飼育係♀)
2020年6月26日
昨年3頭のこども達がうまれたので、コアラ舎はとてもにぎやかです。クインの子のコハル(メス)が4月2日、ハニーの子のビー(オス)が5月21日、ドリーの子のふく(メス)が6月12日にうまれました。
コアラはとても小さく未熟な状態でうまれてきます。体長は2センチメートルくらいしかなく、体毛は生えていません。目もまだ開いていませんが、自力で這ってお母さんのおなかにあるふくろ(育児嚢)に入り、中にある乳首に吸い付きます。うまれてから半年くらいはふくろの中で育つので、私たちが赤ちゃんの姿を見るのはその後だんだんとふくろから顔を出したりし始めてからになります。
3頭の中で一番年下のふくは、順調に育ってふくろから出てきましたが、まだお母さんが必要な時期にドリーを病気で亡くしました。ドリーが体調をくずした後は、おっぱいが十分出ないのか、ふくの体重があまり伸びなくなってしまったので、飼育係がコアラ用のミルクを補助的にあげることにしました。ドリーは体調が悪くなっても最後までがんばってふくのめんどうを見てくれました。
コアラの赤ちゃんは、1歳くらいまではお母さんにくっついて一緒に過ごします。ふくは一頭で過ごすにはまだ小さく、ミルクだけでなくしがみついて安心できるお母さんがいなくなってしまったことも問題でした。そこで、ある程度一頭で過ごすようになっていたコハルのお母さんのクインに代理母をお願いしようと考え、コハルが離れている時にふくを預けてみました。コアラは自分の子でなくてもしがみついてくれば拒否することはあまりなく、おっぱいが出る時は飲ませてやります。ふくはお母さんといる時ほどは落ち着かない様子でしたが、それでもクインにしがみついて安心しているようでした。クインの他にもハニーのおっぱいをもらったり、お姉ちゃんのリリーにくっついたりと、同居しているおとなたちにめんどうをみてもらいながら、順調に大きくなり、ユーカリを食べるのも上手になって、飼育係がミルクをあげる必要もなくなりました。
そして今月、無事に1歳の誕生日を迎えました。元気いっぱいで木の上をとび回ったり、もりもりとユーカリを食べている姿を見て私たちも一安心です。
コアラは1歳でひとり立ちをし始めるとはいうものの、3頭ともまだ体も小さくこどもです。どっしりと動かず寝ていることの多いおとなたちに比べると、身軽によく動き、育ち盛りなのでよく食べます。休園中にだいぶん大きく育った3頭ですが、こどもらしい元気な姿はまだ見ることができるので、是非会いに来てくださいね!