皆さんありがとうございました
乳牛コーナー(滝沢飼育係♂)
2020年10月15日
秋の訪れを感じるようになってきました。新型コロナウイルスの影響を受けていた動物園も徐々にではありますが、日常を取り戻してきています。
さて、新型コロナウイルスといえば私が担当している乳牛も大きな影響を受けてしまいました。
それは何かというと【牛乳】です。学校が休校になったことにより、学校給食にでる牛乳も休止になりました。これが大きな問題となったのです。
給食にでる牛乳は日配品であるため、学校ごとに必要量を予め把握して工場での計画的な生産を行っています。そのため、急なキャンセルは酪農家や乳業会社に大きな影響を及ぼしたのです。特に4月~6月にかけてはウシのだす牛乳の量がもっとも多い時期であり、学校給食用の牛乳が休止になることは牛乳の急激な需要減少につながりました。そしてなにより生乳は日持ちしません。バターや脱脂粉乳などの加工乳への生産を目指しましたが、学校給食用の牛乳を全て補えるほどではありませんでした。
そこで、農林水産省や一般社団法人 中央酪農会議、酪農家や乳業会社はたくさんの方に向けて牛乳消費のPR活動を行ったのです。多くの方の活躍とたくさんの方の消費により、大きな廃棄乳をだすこともなく牛乳生産のピークとなる6月を過ぎることができました。酪農家の方にとってウシ達が一生懸命だしてくれた牛乳を廃棄にすることだけは避けなくてはいけない問題です。それを回避できたことは乳牛を担当し、牛乳を搾っている私達にとってもとても嬉しいことでした。
動物園でも3月にその記事をFacebookに投稿したところとてもたくさんの方にシェアをしていただきました。牛乳を消費しますというたくさんの声もいただきました。本当にありがたく、嬉しかったです。この場をお借りして感謝の言葉を言わせていただきます。『牛乳をたくさん消費していただいた皆さん、本当にありがとうございました。』
日常が戻ることを願うばかりですが、来年がどうなるかはわかりません。もしもの時はまた動物園でも発信していきたいと思います。どうかその時はウシのために、酪農家や乳業会社のために、またご協力をお願い致します。