動物園のユーカリ
東園 長島飼育係
今回は、動物園で飼育しているコアラのエサのお話です。
皆さんはコアラが何を食べるか知っていますか?答えはユーカリです!
実は、一口にユーカリと言ってもその種類は600~800種にものぼり、その中で野生のコアラがエサにしているのは数十種ほどと言われています。
コアラは、鮮度のいいユーカリを好むので、動物園では毎日新しいユーカリを与えています。このユーカリは園内ではもちろん、埼玉県内や、伊豆、鹿児島、八丈島などでも栽培しています。このように暖かい地域でも栽培しているのは、冬に埼玉の寒さでは収穫できない種類を暖かい地域から入荷するためです。動物園内には温室もあり、冬でもユーカリを栽培してはいますが、これだけではコアラを飼うには足りないのです。また、いろいろな場所から仕入れているのはどこかの地域で台風などの自然災害があっても供給を途絶えさせないためでもあります。
コアラは、それぞれが選んで食べるユーカリが違います。さらに、同じ種類のユーカリでも収穫時期や場所などによって食べたり食べなかったりします。そのため、それぞれが好みのユーカリを選べるように、こども動物自然公園でも年間15種類以上のユーカリを入荷していて、時期にもよりますが、毎日最低でも5種類以上は与えています。平均すると毎日だいだい8種類はあり、5種類しかないことはほとんどありません。
このように、コアラには様々な種類のユーカリをたくさん与えています。しかし、食べるのは芽先のやわらかい葉が多いです。また、選りすぐって食べるため、全く食べられていないユーカリの枝も出てしまいます。それをそのまま捨ててしまうのはもったいないので、こども動物自然公園では残った中で綺麗な部分をキリン、ベネットアカクビワラビー、シマオイワワラビー、クオッカに与えています。キリンはコアラがあまり食べない成長した葉もよく食べ、シマオイワワラビーやクオッカは、コアラはほとんど食べないユーカリの樹皮の部分を好んで食べます。
いかがでしたか?今回はコアラのエサのユーカリのお話でした。皆さんも動物園に来た際は動物だけでなく、エサや展示場にも注目してみてください。新しい発見があるかもしれませんよ!