埼玉県こども動物自然公園

出会いの季節ですよ!

山本飼育係

2021年3月25日

早いもので、今年度もあと少しで終わりになりますね。新年度に向けて、みなさんはどんな気持ちで過ごしていますか?この時期は、多かれ少なかれ誰もが期待と不安を胸の内に抱えていることかと思います。

でも、大丈夫です!その先にはきっと素晴らしい出会いが待っています。一足早く、なかよしコーナーでは、そんな出会いがやってきました。

ヤギの親子
ミンと赤ちゃん

ヤギの赤ちゃんが誕生しました!ヤギは双子を出産することが多いのですが、2頭とも元気にうまれてきてくれて安心しました。模様のそっくりな色違いの姉妹です。お母さんは「ミン」で、お父さんは「ムク」です。

模様がそっくりな赤ちゃん
そっくり!

ここで、ヤギの出産についてお話します。メスのヤギは個体によっても異なりますが、繁殖期には約21日ごとに発情を繰り返し、1回の発情は24時間~48時間続きます。その発情に合わせて、短時間オスと同居させて交尾を促します。妊娠したヤギは次の発情がこないため、交尾した約21日後の発情の有無で妊娠を判断します。しかし、この判断が確実とは限らず、ヤギによっては妊娠していても発情したり、妊娠していなくても発情がこなくなったりすることもあります。なので、長い期間ヤギを観察し続けることが大切になるのです。

ヤギの妊娠期間は交尾した日から約150日前後です。(ミンは148日でした!) その日に向けて準備をしていきます。3か月目の頃から赤ちゃんが少しずつ大きくなり、お腹の膨らみが確認できるようになります。4か月目には、自ら活発に動かなくなるほどお腹が膨らむので、散歩などで適度に運動をさせ、体力づくりをします。出産予定日の一週間前までには、うまれてくる赤ちゃんが挟まってしまわないように隙間を塞いだり、消毒をしたり、暖房器具を取り付けたりなどして、安全で清潔で暖かな部屋を用意します。そこに藁をどっさりと敷き詰めてふかふかな床を作ります。 

母親ヤギのナナ
妊娠3か月の「ナナ」

 お乳が張って、お腹の膨らみが下に下がり、お母さんヤギの落ち着きがなくなってくるといよいよ出産間近です。そして、陣痛、破水を経て13時間かけて出産します。お母さんヤギは、赤ちゃんを包んでいた羊膜を舐めとり、赤ちゃんはうまれて30分程で自力で立ち上がります。その後、お母さんの免疫を受け取るためにとても大切な最初に出るミルク、「初乳」を飲みます。ミルクを飲む期間はだいたい3か月くらいです。

ミンは、今回が初めての出産でした。飼育員が朝一番に赤ちゃんを発見したので、夜中の出産だったようです。うまれたときの体重は、白黒の赤ちゃんが1,960g、白茶の赤ちゃんが1,820gでした。ミルクをたくさん飲んですくすくと成長しています!これからも健やかに育つことを祈っています。

ヤギの赤ちゃんの様子は、なかよしコーナーで見ることができます。うまれたばかりの初々しい姿を見に、ぜひお越しください!そして、楽しい春を迎えましょう!

授乳中赤ちゃん
ミルクが大好き

 

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