どこにいる?なにしている?
後藤飼育係
2021年11月21日
みなさんは園内のコバトンロードからシカとカモシカを探したことはありますか?
よく谷で作業をしていると、「いないよー」「ほんとにいるー?」という声を耳にします。
たしかにほんとうにいるのか?と疑問に思うのもよくわかります。
なぜなら、シカやカモシカは日中座っていることが多く、動かないでいると谷の風景にとけこんでいて、みつけるのが難しいからです。
シカは群れで行動していることが多いので1頭を見つけられるとまわりに何頭もいる場合が多いです。しかし、毛色は夏毛と冬毛で明るさが異なり、季節ごとの木々の色にうまくとけこんでいて1頭を探すのにも一苦労しますが、この季節の変化もみどころなのでぜひあきらめずに探してみてください。(夏毛と冬毛の写真は同じオス個体です)
そして隣のエリアにいるカモシカは、群れで行動するシカとは異なり、基本的に単独で行動する動物です。シカと同じく景色に溶け込んでいるため見つけるのは大変ですが、見つけられたらそこで終わるのではなく、そのまわりを見渡してみてください。
例えば、カモシカの目線の高さにある枝の先や柱をよく見てみると、黒く、つやつやした部分があります。これは自分のなわばりを主張するためカモシカが付けた跡です。カモシカには目の下の方に「眼下腺」と呼ばれるところがあり、そこから出る分泌物を枝先などに擦り付けてマーキングを行います。
また、幹を見てみると少しへこんでいたり、削れて色が変わっている部分があります。これは角を研ぐために、何度も角を押しつけているからです。“動物だけ”を見てかわいいと思うだけでなく、周りも見てみるとその動物の痕跡や特徴に気づけて、よりおもしろいと思います。
ぜひ、いろいろなところに目を向けて発見を楽しんでみてください。