知名度アップ計画
西田飼育係
2022年3月24日
みなさんは「マーラ」ってどんな動物か、知っていますか?
2020年4月にマーラの飼育担当になりましたが、どうにもマーラに対する知名度がなさ過ぎて悩んでいます。
マーラは分類でいうと「げっ歯目 テンジクネズミ科」に属するネズミの仲間です。テンジクネズミ科は現在18種がいて、ほとんどが南アメリカ大陸に生息しています。マーラは、こども動物自然公園で開園2年目から飼育しはじめて、もう40年経つのですが、なかなか知ってもらえていないのです。だいたいウサギ、シカ、小さいカピバラ、ワラビー、カンガルーなどなどと言われます。細長い脚と大きい耳、イヌのお座りのように座っている姿がそう思わせるのでしょう。当園で飼育しているテンジクネズミ科はマーラのほかに、ヒメマーラ、カピバラ、パンパステンジクネズミ、テンジクネズミ(通称モルモット)がいます。同じ科でも体つきが異なるのは、それぞれ生息環境に合わせて進化したからです。
マーラはアルゼンチンのパンパ(温帯の草原)に生息しています。広い草原ではいち早く天敵に気づいて逃げる必要があります。そのために些細な音も聞き逃さない大きな耳と、速く走るための細長い脚を持っています。お座りポーズでじっと動かないときがあります。「ぜんぜん動かない」なんて言われることもありますが、これは警戒のポーズです。周りに危険が迫っていないか確認しています。みなさんがマーラを見ているのと同時に、マーラもみなさんを観察しているのです。ただ、いつでも警戒しているわけではなく、暖かい日には横になって日向ぼっこをしています。のんびりしている姿を見ると、とても穏やかな気持ちになります。
見た目はおとなしそうなマーラですが、意外と攻撃的な一面もあります。近くに気に入らないマーラがやってくると相手の背中に噛みつくことがあります。オス同士の場合は特に激しく、鋭い切歯(前歯)をむき出しにして、噛み合い(取っ組み合いに見えます)のケンカをすることがあります。こういったケンカを見ると、ケガをしないかいつもハラハラします。
マーラの飼育担当になって魅力的な部分をたくさん感じるのですが、なかなか伝わらないのが悔しいところです。もっとマーラを知ってもらえるよう、SNSなどを活用してどんどん発信していきたいと思います。そうそう、巷ではカピバラもモルモットもキャラクターになっているので、マーラも仲間に入れてもらえないかな、なんてちょっと思っていたりします。
興味のある方は野生での観察記録をご覧ください。(外部リンクに移行します)
iNaturalist マーラの観察記録
https://www.inaturalist.org/observations?taxon_id=43802(外部リンク)
iNaturalist ヒメマーラの観察記録
https://www.inaturalist.org/observations?taxon_id=43801(外部リンク)
iNaturalist カピバラの観察記録
https://www.inaturalist.org/observations?taxon_id=74442(外部リンク)
iNaturalist パンパステンジクネズミの観察記録
https://www.inaturalist.org/observations?taxon_id=43813(外部リンク)
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