5月5日は・・・
小林飼育係
2022年5月5日
本日5月5日はこどもの日ですね!すべての子供達の健やかな成長を願いつつ・・・実は、5月5日は動物園にとっても大切な日なのです。
今から42年前、昭和55年5月5日にこども動物自然公園は開園しました!
開園記念日のブログということで、今回は開園当初から動物園にいる動物についてのお話です。
42年間、動物園にいる動物・・・といっても飼育動物ではなく、動物園内の林の中にひっそりと生息している「トウキョウサンショウウオ」という動物、ご存知ですか?
トウキョウサンショウウオとは東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、福島にのみ生息する小型のサンショウウオのことです。体の大きさは全長(頭から尾の先までの長さ)8~13cm程。標高300m程までの山と平野が混ざり合う丘陵地帯に生息しています。繁殖期には水田や湧き水の溜まった水たまりに集まって産卵をし、他の時期には森林の湿った地面で倒木や岩、落ち葉などに隠れて生活をしています。
このトウキョウサンショウウオ、残念なことに野生での生息数が減ってしまい、絶滅危惧種に指定されています。なぜ生息数が減ってしまっているのかというと、生息地や産卵場所が開発や荒廃により減少していること、アライグマやアメリカザリガニなどの外来種によって成体や卵が食べられてしまっていること、ペットとして販売するための密猟などが原因とされています。そこで、トウキョウサンショウウオを守るために生息状況を調査、環境保全、外来種の駆除、捕獲の規制を作るなどの取り組みが行われています。
動物園でも園内に生息しているトウキョウサンショウウオの生息状況の調査をしています。どのように調査するかというと、繁殖期に水の中に産み出される卵嚢(卵を包む袋)の数を数えて個体数を推測しています。なにせ産卵期以外は木や落ち葉に隠れて生活する生き物ですので、それを見つけ出して個体数を数えることは非常に難しいのです。
トウキョウサンショウウオの卵嚢は、クロワッサンのように曲がった透明の袋が2つで1対になっています。1対の卵嚢の中には50~140個の卵が入っています(卵の数は地域により違いがあるようです)。この卵が孵化すると全長15mmほどの幼生になります。この幼生期、小さな体で生き残るのがとても厳しいのです。そこで、動物園内で保護した卵嚢を近隣の小学校で育てていただき、また園内に放流するという取り組みも行っています。
この度、小学生が大切に育ててくれたトウキョウサンショウウオ3匹を動物園で展示公開することになりました!本日5月5日から、なかよしコーナーにて展示します!
ぜひトウキョウサンショウウオを見て、知って、守っていきましょう!
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