温厚そうなカピバラだけど…エサのときは…
後藤飼育係(カピバラ・ワラビー広場)
2023年2月5日
みなさん、こんにちは!
私は去年の4月から主にカピバラ・ベネットアカクビワラビーを担当しています。今回は、飼育する中で感じたカピバラの意外な一面についてお話しします。
みなさんはカピバラにどんなイメージをお持ちでしょうか。気持ちよさそうに寝ていたり、目を細めて微動だにせず、日光浴をしている姿が魅力的なカピバラ。私は飼育担当になるまでは、穏やかでのほほんとしているイメージを持っていました。
しかし、実は意外な一面を見せることもあるのです。
それは餌のときです。穏やかにみんな一緒に並んで食べている・・・と思いきや、急に怒っているような声を出すのです。
「ヴァッ!」というような一瞬の声で、普段のカピバラからは想像がつきにくいかもしれません。怒られたカピバラは逃げ出し、少しすると様子をうかがいながらまた戻ってきて食べ始めたり、あるいは違う場所にある餌のもとに行ったりします。
(文字では表現しづらいため、できればその声を録音して皆様にお届けしたいのですが、いつも突然、しかも一瞬のことなのでなかなか実現できません…)
そんな様子なので、エサはできるだけカピバラたちがケンカしないよう分散させています。
しかし、私が最初にエサを置いた場所にみんなまっしぐらにやって来るので、みんな取られまいと必死になって上記のようなちょっとした小競り合いが起きるのです。・・・とはいえ、そうやって1か所のエサ場に集中するのは最初のうちだけで、みんな次第に分散して食べるのでそれぞれちゃんとエサにありつくことができていますし、ケガをするようなこともありません。どうぞご安心ください。
カピバラ放飼場にベネットアカクビワラビーも放飼することがあり、カピバラと一緒に並んで餌を食べている光景がみられます。先ほどの話を聞くと、ワラビーが心配になる方もいるかもしれません。私も担当になった当初は、カピバラが食べている餌をワラビーが食べたら怒るのではないかとハラハラしましたが、存外にカピバラは怒ることなく気にせず食べていました。それも、「たまたま」怒らなかったのではなく「毎回」怒らないので、ワラビーには寛容なのかなと思っています。
というのも、カピバラのことを調べてみると、カピバラのおなかの上に鳥がのっていたり(カピバラの皮膚についた虫や寄生虫を食べてくれる鳥)、カメが周りにいたりと、カピバラに集まる動物はたくさんいます。同種には厳しいカピバラですが他の動物には広い心をもっているのか、気にしていないのか定かではありませんが、飼育の中で面白い一面を知ることができました。
また、カピバラは怒った声以外に「ココッ」という鳴き声があります。
動画をぜひきいてみてください。この声は体をかいてあげたり、おなかがすいているときなどに聞くことが多いです。
ほかにも、「キュイーーン」と高い声をあげることもます。
カピバラの声はなかなか聞けないので聞いた際は、こんな状況でこんな声だったというのをメモしています。録音に成功しましたら随時投稿していきますね。
最後に冬季のカピバラのみどころについてご紹介します。
現在、冬季限定「カピバラ温泉」を実施しています。お風呂に入っている姿は冬季限定で魅力的なのですが、実はもう一つ冬季限定の姿があります。それはカピバラ同士でくっついて暖をとっているところです。2頭であたたまっているところはよく見られると思いますが3頭で暖をとっているときがあります!
この姿はカピバラ温泉が始まる前の時間帯でみられる確率が高いです。
遊びに来た際は時間をかえてみてみるといろいろな姿を発見できると思うのでぜひ何度も訪ねてみてください!
お問合せ先
〒355-0065
東松山市岩殿554
こども動物自然公園管理事務所
電話:0493-35-1234
FAX:0493-35-0248