ワラビーの行動調査
山崎飼育係
2023年6月17日
当園のベネットアカクビワラビーの展示は、来園者が通るところにもワラビーが出て来られるため、ワラビーを間近で見る事ができますが、そのため頭を悩ませていることもあるんです。それは、ワラビーがセカンドキャッチに進入することです。
セカンドキャッチとは、動物の脱出を防ぐために二重に扉などを設置しておくことです。お客さんが出入りするところが二重扉になっており、そこにワラビーが入ってしまう事があります。多い時は1日に3回も入ってしまうことがありました。そこで、ワラビーがいつどのような時に入るのか調べてみました!
調べた期間は令和4年10月4日(火)〜令和4年10月30日(日)の4週間で、7頭のベネットアカクビワラビーを対象に行いました。
方法は1週目と3週目は餌として与えているユーカリを放飼場に設置し、2週目と4週目はユーカリを設置せず行い、天気、来園者数、セカンドキャッチに進入した個体、時間を記録しました。
調べた結果、ワラビーがセカンドキャッチに入った回数は6回で、全て入口側でした。ユーカリを設置した時と設置していない時で差はなく共に3回でした。ユーカリをつけるときは寄ってきますが、ずっと採食しているわけではないためあまり効果はないということが分かりました。
また、晴れていて遠足や来園者が多い日に入っていましたが、雨でも扉付近にいることは多かったです。
時間帯は11時〜13時で、一番多く進入した個体はマルで3回でした。
3週目以降は、セカンドキャッチに近づくことはあっても、入った日はありませんでした。
以上の結果から、ユーカリの設置と天気はあまり関係がないという事がわかりました。来園者の多い日は扉を開放している時間が長くなるため、ワラビーが出やすくなってしまいます。また、入口側の扉付近には草や実のなる木が生えているので、それらを食べるために入っていたが、10月後半ごろからは放飼場内にどんぐりがたくさん落ちており進入しなくなった事が考えられます。
今後の対応として、扉付近にあるワラビーが食べそうなものは取り除き、お客さんへの声がけを徹底する必要があると思います。そして何よりもワラビーにとって魅了的な環境を作ることに日々励んでいきたいと思います!
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