20羽の仲間が入りました!
2023年11月7日
今年の9月、ペンギンヒルズでは歴史に残る大きな出来事がありました。それは葛西臨海水族園からペンギン20羽が仲間入りしたことです!
今回は来園した日の様子や、それからのペンギンヒルズでの暮らしをご紹介します。
葛西臨海水族園ではもともと130羽近くのフンボルトペンギンを飼育していましたが、施設改修工事の期間中ペンギンを別の場所に移動させる必要があったので、群れを分けて他の動物園や水族館が協力して預かることになりました。当園もそのうちの一か所です。
9月25日にとうとう20羽のペンギンがやってきました!
葛西のペンギンたちはケージ(「バリケン」といいます)に1羽ずつ入った状態で、大型の冷蔵トラックで運搬されて来ました。
- 他園から動物が来る際、一定期間を動物病院で飼育し病気にかかっていないか、ウイルスを持っていないかなど検査をする「検疫」を行います。今回は水族園で検疫を行ってもらったので、当園に到着後そのままペンギンヒルズに直接搬入となりました。
いよいよペンギンヒルズにペンギンたちを放つ時がやってきました。ヒルズ内のどこでペンギンをバリケンから出したのかというと・・・プールサイドです。ペンギンは陸上より水中の方が素早く移動することができるため、危険を感じると本能的に水の中へ入ります。ペンギンにとって安全な水場である、プールの場所を最初に知ってもらうため、プールの目の前でバリケンの扉を開けました。なるべく驚かせないように、自分のあしで出てもらいました。
扉を開けるとほとんどのペンギンはすぐに外に出てきてくれました。全く知らない場所に戸惑い、立ち止まる様子も見られましたが、仲間を見つけると一緒にプールへ入っていきました。プールに入った後は、警戒しつつも落ち着いている様子で一安心です。
- 新たにペンギンを迎え入れる上で一つ心配なことがありました。それは餌の与え方です。水族園ではプールに魚を撒いて水中で給餌をしていましたが、当園では陸上で、手袋やトングで魚を差し出して与えているので給餌の仕方が大きく異なります。当園のやり方で餌が食べられなければ、5日程度をめどに水族園のやり方に合わせ、プールに魚を撒いてみることも考えていました。・・・が!そんな不安をよそに、なんと搬入当日の午後、葛西の3羽が当園のペンギンたちと一緒に餌場まで行き、陸上で魚を食べたのです!最初は直接手からではなく、魚を地面に落とし、それを拾って食べてもらいました。動画はその時の様子です。(飼育係の奮闘の様子もお聞きください)
そして日に日に餌を食べにくる葛西の個体が増え、それと同時に手から直接食べてくれるようにもなりました。搬入から3日経った日にはとうとう20羽全羽の採食を確認することができました。予想よりもはるかに早く慣れてくれたペンギンたち。今回改めてペンギンのもつ適応能力の高さに驚かされました。
その後、次のステップとして「ペンギンのランチタイム」イベントの再開を目指し練習を行いました。これは参加券を購入した方対象の給餌体験のイベントです。園内のスタッフに協力してもらい、参加者役で本番と同じように餌をあげてもらいました。葛西のペンギンたちは最初は警戒していましたが、先住ペンギンたちが何食わぬ顔で食べているところを見て安心したのか、途中から食べにくるようになりました。2日間の練習は何の問題もなく終了したので、ペンギンのランチタイムは先月から再開しています。ご来園の際はぜひ参加してみてください!(ペンギンの体調・鳥インフルエンザ対策により中止する場合もあります)
餌に関しては当園のやり方にすぐ順応してくれたペンギンたちですが、意外にも行動範囲はまだプールの近くから広がっていません。日中はプールで泳いで、朝や夕方はプールサイドで過ごしています。営巣地に巣をもつ先住ペンギンたちがそれぞれの巣に帰っていくときに、葛西のペンギンが後をくっついていく様子は確認できていますが、途中で引き返してプールの方へ戻っているようです。さらに、葛西のペンギンたちのために新たに設置したプール周辺の巣箱は、残念ながらまだ一つも使われていません・・・。
これから始まる繁殖期を前に、オスは自分の巣穴を確保し他のペンギンにとられないようパトロールするようになるので、この時期に合わせて葛西のペンギンたちもうまく自分の巣がもてるよう、サポートしていきたいと思います。新入りのペンギンたちがどのように環境に慣れていくのか、これからもあたたかく見守っていただけるとうれしいです。
須賀飼育係より
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