埼玉県こども動物自然公園

個性が強すぎる?? 〜ポニー乗馬コーナーのある日のお話し〜

2023年11月15日

皆さんこんにちは。今年度からポニー乗馬コーナーに配属され、毎日個性豊かなポニーたちと過ごしている齋藤です。
以前は野生動物の担当をしていましたが、現在は家畜です。同じ動物ですが、接し方は全く違います。家畜は人が作り出した動物、つまり人が積極的に飼育管理に携わる必要があるという事です。私の飼育係としての過ごし方もガラリと変わったので、今回はポニーたちを紹介しながら、その接し方についてお話ししていきましょう。

朝、ポニー舎に着くと、まず「おはよう」と声をかけます。ポニーとの信頼関係を築くにはコミュニケーションを取る事が何よりも大切です。私は、ポニーの近くを通る時、名前を呼んで話しかけることを心がけています。もし、私が独り言を言っていたとしても、その時はそっと見守ってくださいね(笑)。

まずは、ハニーの紹介です。ハニーはいつも挨拶すると顔を出してくれます。真面目な顔をしてますがいたずら好きな一面もあります。
朝の挨拶が終わったら外の放飼場に出していきます。

ハニー
声をかけると出てくるハニー
ぬかそうとしている様子
順番は守りましょう

右の写真では信頼関係が試されます。ここでビシッと指示を出し、それが出来たら褒めるなどメリハリをつける事も大切です。ポニーはとても聴覚が優れているので、指示を出す時や褒める時は声のトーンを使い分ける工夫をしています。 

次は、乗馬です。再び信頼関係やメリハリが求められます。ポニーにも性格や癖があり、乗馬を行う際は人が引き方を工夫する必要があります。ここで紹介したいのが、乗馬大活躍中のクリオとつがるのコンビです。クリオは触られるのが苦手という難しい一面もありますが、掻いてもらうことは好きなので、慣れてもらえるよう練習中です。つがるはとても優しい性格ですが、乗馬中にサボる癖があります。引く人によって上手にサボるので人をよく見ているのが分かります。ちなみにこの2頭、乗馬で顔を合わせているのに、放飼場ではいがみ合っていることも…。

クリオ
クリオ かきかき待ち
つがる
つがる ちらりと見てくる

皆さんが乗馬を行う乗馬コースでは、たまに他のポニーが出ている事があります。ここは、芝が一面に生えていて、ポニーにとっては最高の餌場です。もともと野生のウマは、あちこち歩き回りながら下草を食べるため、乗馬コースでも同じように放飼している事があります。ここでは、仲良しな2頭のソラとコオを紹介します。ソラは「新人いびりのソラ」と異名を持つポニー。私も会った当初は色々と大変なこともありましたが、夏場水浴びが好きでホースを持っているとずっとついてくるなどお茶目な一面もあります。コオは、よく仏のようにぼーっと立ち尽くしていますが、ソラといる時は一緒にグルーミングし合ったり、何故か突然走り出したりとマイペース気味です。

放飼している様子
乗馬コーナーで放飼中
ソラとコオ
左:ソラ 右:コオ

さて、皆さんは飼育係とポニーのこのような様子を見た事があるでしょうか?

月雨
引き運動をしている月雨
ケンタ
調馬索をしているケンタ

これはポニーが運動をしているときの写真です。ポニーにとって運動は健康管理をする上で欠かせない事。また、人が関わらないとできない事でもあります。ウマの蹄は第2の心臓と呼ばれ、蹄が地面につくことでポンプ的な役割となり、血液循環を補助します。運動をすることで血液循環を増進させ、ポニーをより健康な状態で飼育することができるのです。ここで紹介したいのが月雨とケンタ。月雨が行っているのは引き運動と言います。月雨はとても大人しい性格ですが、ポニーの中では一番強い存在です。意思表示は明確に表します。

ケンタが行っているのは調馬索と言います。人とポニーが一対一となり、運動だけでなく相互の信頼関係を深めるために行います。一見人が鞭で追っているように見えてしまうかもしれませんが、実際にはお互いの見えない駆け引きがあり、信頼関係を高めるために奮闘中です。ケンタはとても頭の回転が速く、何事にも忠実です。体格は引き締まっており、走った際には筋肉がよく見えます。

ここで楓のご紹介。楓はなんと31歳の高齢個体。そのため、他のポニーとは別の飼育管理をしています。楓は餌の時間が近づくと鳴いて知らせてくれます。まだまだ元気いっぱいです。足腰の筋肉が低下しないよう、楓と一緒に歩くこともあります。そんな時はそっと応援してくださいね。

楓
楓 エサの時間
楓
楓のお昼寝

さて、続いてはポニーの手入れについてユキオでご紹介。手入れはコミュニケーションの1つであり、「お疲れ様、ありがとう」の気持ちを込めて行います。ユキオはポニーの中では一番からだが大きく、とても賢いのですが、いたずらが大好きです。からだが大きいため、手入れも一苦労。しかし、このポーズ…(左下の写真)。これは、ここを掻いてとユキオが毎回するポーズです。左脚、右脚、左、右…と永遠に続きます。最後は満足そうに終わり、私も嬉しいです。

ユキオ
ユキオ ここかきかきしてポーズ
ユキオ
満足そうなユキオ

いかがでしたか?言葉では語り尽くせないほど、ポニーたちとの関わりは深く、接し方も沢山あります。そしてなにより、楽しいです。もし、ポニーコーナーで飼育係とポニーを見かけた時は、今何しているのかなと探ってみてくださいね!

 齋藤飼育係より

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