カンガルーコーナーの小さな隣人たち
2024年7月7日
みなさんこんにちは。オオカンガルーを担当している野口です。
今回はオオカンガルーのお話…ではなくカンガルーコーナーに生息する小さな隣人たちについてです。
当園のカンガルーコーナーでは普段から水を溜めている池があり、オオカンガルーはこの池を水飲み場や暑いとき体を冷やすための避暑地としてよく利用していますが、実はこの池、オオカンガルーだけではなく多くの生き物たちが利用しているのです。
池の中やその周りでは春から夏にかけてカエルの仲間やその幼生であるオタマジャクシを多く見ることができます。
4月頃になるとアズマヒキガエルのオタマジャクシが池の至る所で見られました。
アズマヒキガエルのオタマジャクシは1カ月ほどでカエルになり、水中から上陸し水場を離れていくので5月~6月頃にはまだ上陸したての小さなアズマヒキガエルが園内を移動している姿をよく目にします。
そしてアズマヒキガエルが上陸する頃、池には二ホンアマガエルのオタマジャクシが見られるようになります。
なぜかというとアズマヒキガエルは2~3月頃、二ホンアマガエルは5~6月頃と産卵の時期が違うためカエルになるタイミングもずれています。
二ホンアマガエルも早ければ上陸している個体もいますが、カンガルーコーナーの池では今の時期もまだ観察できます。
このほかにも二ホンアカガエルやヌマガエル、シュレーゲルアオガエルなども多くのカエルの仲間が生息しています。
そしてそのカエルやオタマジャクシを狙って多くの生き物が池に集まります。水中や水面で暮らす水生昆虫のミズカマキリやマツモムシ、トンボの幼虫のヤゴなどもオタマジャクシを餌にしています。
またヒバカリやヤマカガシといったヘビの仲間もオタマジャクシやカエルも狙って池の周りに集まってきます。
ヤマカガシは毒を持っているので見かけても触らないように注意してください。
その他にも1年を通して多くの鳥類が水浴びなどで池を利用しています。
特に冬はカモの仲間が北から渡ってくるので、池で藻などを食べているカモを見る機会も多くなります。
このようにカンガルーコーナーにある池の周りだけでも多種多様な生き物が暮らしています。ぜひ動物園を訪れた際には展示動物を見るだけではなく、身近にいる生き物も探してみてください。
野口飼育係より
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