埼玉県こども動物自然公園

オグロプレーリードッグの春

2024年7月30日

 こんにちは!小動物コーナー2年目になります、及川です。梅雨もすっかり明けて、暑い日が続きますね。

今回は春を越え新しい仲間が増えたオグロプレーリードッグについてお話します。

展示場
小動物コーナーのオグロプレーリードッグ

プレーリードッグの繁殖が始まったのは1月頃。野生では14月にかけて繁殖時期を迎えます。オスは気性が激しくなり、1月頭くらいから闘争によるものか脱毛個体が見られるようになってきました。

3月に入るとプレーリードッグ同士が「キャンキャン」と鳴き、威嚇し合う様子が毎日のように見られるようになってきました。プレーリードッグの世界では繁殖期になると他の個体を傷つけたり、オスとメスが合わず喧嘩に発展することは多々あります。そのため全頭が餌を食べられるように、餌の置く位置を工夫したり、注意して観察し、異常があればすぐ気づくことができるようにしています。

しばらくすると出産に向けて準備が始まり、地上に出てくる個体も少なくなりました。せっかく来たのに見れなかった方もいらっしゃったかもしれません。もし繁殖期に見えないことがありましたら「頑張っているんだな」と温かく見守って頂けると嬉しいです。

5月になると全体的に落ち着いてきました。直接地中の様子を見ることはできませんが、それぞれ出産や子育てに励んでいたことが伺えます。
というのも、ウマやヤギは生まれた時には毛が生えそろっており、すぐ目が開いて立ち上がることができる「早成性」の動物なのですが、プレーリードッグは母親の十分な助けが必要な状態で生まれてくる「晩成性」の動物。そのため出産後は、赤ちゃんがある程度成長するまで巣穴で過ごします。母親も餌を食べる時は地上にでてきますので、このタイミングで乳が張っている姿を確認することができました。

様子をうかがう母親
地上の様子をうかがう母親

そして5月中旬くらいから少しずつひょこっと巣穴から出てくるこどものプレーリードッグが現れ始めました。「思ったより小さい」というお客さんの声を耳にすることがよくあります。
こどものプレーリードッグは体の形、つくりは大人とまったく同じで、大きさだけが縮んだような手のひらサイズです。毎年この時期には、まだ歩き方もぎこちなく、よたよたしたり、転んだり、段差から落っこちる可愛らしい姿が見られます。成長するスピードは非常に速く、すぐに活発に動き回ったり、他の個体と遊んだり、親にじゃれつく様子も見られます。次第に完璧に離乳し、おとなと同じ餌を食べるようになっていきます。

 67月になると、おとなと大きさが変わらない個体も見られるようになりました。今シーズンうまれたこどもの数は21頭と思われます(プレーリードッグが全頭一斉に地上に出ることはないので推定になります)飼育係が清掃に入ると、警戒して巣穴に逃げ込んでしまいますが、顔だけ出してこちらの様子を伺ったり、清掃が終わるとすぐさま地上に出てきてみんなで餌を囲んで食べる様子を見ることができるので観察のチャンスです。ぼこぼこ開いている巣穴は日によって場所が変わるため、土の中がどのようになっているのか飼育係でも見ることはできず未知の世界です。

よく観察していると様々な発見ができるかもしれません。ぜひ、オグロプレーリードッグに会いに来てください!

背中
こどものプレーリードッグを見守る母親の背中

及川飼育係より

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