ハツカネズミの展示場
2024年8月15日
厳しい暑さが続いていますね、年々暑くなっているように感じます。
みなさんも体調には気をつけて、厳しい夏を乗り越えていきましょう!
さて、今回お話しするのはハツカネズミの「展示場」についてです。
ハツカネズミは野生では家屋、草地、田んぼなど色々なところで生活しています。そこでは木を登ったり、エサを探したり、様々な行動をとります。しかし、動物園にいるハツカネズミは限られた展示場で生活しています。なので、野生と比較するとスペースは狭く、行動も単純で変化が少なくなりがちです。そこで、本来の運動能力や行動をとってもらうために飼育環境を工夫しています。
私が今回、工夫したところは季節の移り変わりを感じてもらうことです。
夏の草や枝を入れ、活発に動けるように高さを出しました。
草はクワやアカメガシワを入れ、枝にはシラカシを入れています。ハツカネズミたちはクワの葉がお気に入りらしくよく食べていました。
また、体を冷やせるように大きめの石を入れています。石の上で伸びているすがたは、とても癒されます。
動物園のある東松山市はとても暑いので…展示場の上には氷を置き、扇風機を回して、熱中症にならないように気をつけています。
秋には落ち葉や、紅葉した枝などを入れて視覚的に秋を感じられるような展示にしました。穂がついたイネ科の植物への反応がとても良かったです。
また、秋はドングリをはじめとする木の実がたくさん採れます。落ち葉の下などに隠し、探して楽しめる工夫も取り入れてみました。
冬には、床材をおがくずにして暖かく過ごせるように工夫しています。
また、ヒーターや乾草を入れて保温効果を高めています。乾草を入れるとハツカネズミたちが自ら巣をつくることもあります。
冬はネズミ団子になって寝ているすがたがよく見られます。
展示場を工夫すると、同じ展示場所でも季節によって違った行動や反応を見せてくれることが分かりました。これからも動物たちが幸せに暮らせるように日々、考えていきたいです!
中澤飼育係より