なかよしコーナーにいる、とあるヤギのお話
2024年10月19日
暑い日も少なくなり、だんだんと過ごしやすい気候になってきましたね。
今回はなかよしコーナーにいるとあるヤギのお話です。
そのヤギとは・・・
夜間他のヤギとは別の場所で1頭だけで暮らしているアンコという、今年で11歳のメスです。
なぜヤギの群れと一緒ではなく1頭だけなのかというと、、、高齢で群れの中での順位も低く、一時期かなり痩せてしまったためです。
群れから離れたのは今年の8月上旬ごろ、群れにいた頃からもともと痩せていたアンコですが、ある日元気がなくなってしまい獣医に診てもらい、治療をしました。
治療のおかげで元気を取り戻し、1頭だけで暮らすようになり、エサも十分に食べられるようになりました。ですがここでもう1つ問題が、、、
実はアンコ、他のヤギたちが普段食べている乾草がうまく食べられないのです。実はアンコはヤギが草をすりつぶす為の奥歯の一部が高齢のためなくなってしまっているのです。
ヤギの歯がどうなっているかというと・・・
私たち人間とは違い、前歯は下にしかなく、奥歯は草をすりつぶす為に上下にあります。時々なかよしコーナーで「ヤギは噛みますか?」という質問をいただきますが、ヤギが人を噛むことはほとんどありません。背中などを優しくなでてあげてくださいね。
さてアンコですが、草をすりつぶす奥歯の一部がありません。その為に与える乾草は飼育係が食べやすいように切っています。
治療と乾草を切って与えることで、痩せていたアンコは元気を取り戻しました。このようにして動物園ではヤギに合わせて給餌方法を変えています。ちなみにアンコは1日中お部屋にいるわけではなく、他のヤギたちと一緒に放飼場に出ている時もあるので、なかよしコーナーに行った際は探してみてくださいね。
塚越飼育係より