とある採食観察記録
2024年11月6日
みなさんこんにちは、そして初めまして!秋の味覚とともに、飼育係になって早半年かと時間の流れの速さを噛みしめている新人飼育係の石徹白です。
私が配属された企画調整係ではイベントに関することや動物の搬出入、飼料の発注管理や制服等の管理など園に関する様々な業務を担っているだけでなく、「どんぐりのもり」のフクロウ、マレーモリフクロウ、モリフクロウ、ニホンリスの飼育管理もおこなっています。
私の最近の気になる話題は、見るとつい美味しそうと思ってしまうぷりっとしたドングリについてです。今回はそんなドングリを食べる動物、どんぐりのもりにいるニホンリスの個人的採食観察記録についてお話します。
動物園では、動物種ごとに様々なエサを給餌しており、当園のニホンリスには栄養を考慮してハト配合(トウモロコシや小麦、大麦といった穀類と豆類が配合された飼料)と小鳥配合(キビやヒエ、アワが配合された飼料)、ドッグフードやヒマワリの種、野菜(サツマイモ、ニンジン)・果物(リンゴ)、クルミ等を主に与えています。今の時期には栗やドングリなども給餌しています。
朝、飼育舎へ行くと、まず展示場や動物に異常がないかを確認します。そして前日のエサの食べ残しを見て、食欲等体調に問題がないか観察しています。
見ているとニホンリスはニンジンを残していることが多くあります。少し齧って、エサ皿の中でパサパサに乾燥したニンジンが放置されていることもあれば、手つかずのまま地面に無残にも投げ捨てられていることもしばしば…。みなさんも幼き頃、嫌いな野菜が出たときに皿の端に寄せた経験があるのではないでしょうか。そんな感じで残っています。飼料担当としては少し悲しいので、切るサイズを変えたり、美味しそうな部分を探したりなど、どうすればニンジンを食べるか日々検討しています。
食べ残しを確認したあとはその日の分の給餌をおこない、ちゃんと全頭採食できているか、動きに異常はないか、元気はあるか観察します。見ているとなんとなく食べるエサの順番がわかってきて、ここ最近は栗、ヒマワリの種、サツマイモ又はリンゴ、ドッグフード、ハト配合(トウモロコシ)又はドングリの順でよく食べています。ニンジンは言わずもがな、見向きもされず放置か地面に落とされます。
また、栗やクルミ、ヒマワリの種、ドングリなどを食べるときは、歯を使って器用に殻を剥いて食べます。そしてサツマイモやリンゴは齧りながら皮を綺麗に残します。夏場、暑さ対策でトマトの氷漬けを与えると、翌日トマトの薄皮だけが綺麗に残っていました。ニホンリスには、野菜の皮は可食部のうちに入らないのでしょうか。
その他に、ハト配合(トウモロコシ)では胚乳(黄色い部分)ではなく、やがて成長して芽になる部分である胚芽(白い部分)のみを食べています。
このように、食べる様子から様々な発見があります。みなさんも来園した際は動物そのものだけでなく、どんなものを食べているのか、どのように食べているのかなども観察してみてください。おもしろい発見があるかもしれません。
これからの季節、風邪をひきやすくなるので、健康な身体で過ごすためにみなさんは好き嫌いせずに食べて、栄養をしっかり摂りましょう。ちなみに私は納豆がとても苦手です。食べる気は今のところありません。
石徹白飼育係より
お問合せ先
〒355-0065
東松山市岩殿554
こども動物自然公園管理事務所
電話:0493-35-1234
FAX:0493-35-0248