ありがとうタビー
2025年2月25日
2025年1月28日、マヌルネコの「タビー」が老衰のため死亡しました。
マヌルネコの寿命は約10年といわれている中、16歳ととても長生きをしてくれました。
12月下旬頃はとても元気で、専用の運動場には毎日日向ぼっこをしに自ら外へ。高齢のため噛む力も弱くなりましたが、エサを採食しやすいように細かく切り工夫したおかげで、餌は毎日完食していました。現在展示している孫にあたる7歳の「オリーヴァ」や「ロータス」と同じくらいの量を毎日食べていたため、もっと長生きしてくれるだろうと思っていました。

今年からマヌルネコの担当になったばかりの私ですが、今でも獣舎に入るとタビーがいる気がしてなりません。もっとできることはあったのかな、最後は幸せだっただろうかなど、タビーの部屋を見るたびに思います。
2011年の冬、タビーは上野動物園からやってきました。写真は2012年のものです。当時4歳、左目が少し小さく口周りがムッとしている感じは変わっていないように感じます。


2012年と2014年に出産をし、今ではたくさんの孫もできました。写真は2014年に出産した仔です。

首を傾げていることが多かったタビー。昔からの癖だったのでしょうか?首を傾げている写真がたくさんありました。

何度か私も威嚇をされたことがありましたが、写真を見ると昔の方が迫力を感じます。

2021年マヌルロック初放飼の様子。一番警戒心が強いタビーは、他の2頭よりも放飼場になれるのが遅かったようです。地面に足をつけることが嫌だったらしく、お気に入りの岩穴まで駆け足で移動していたと聞きました。



2022年、タビーは14歳とすでに高齢。体調を優先し、バックヤードでの飼育のみとする非展示となりました。年齢のせいか、目の前で「おはよう」と声をかけ手を振ってもぼんやりとしている様子で、この頃から視力や聴力の衰えを感じ始めたようです。そこでタビーのために何かできることはないか?と部屋を改造。昇り降りがしやすいようステップ台をこれでもか!というくらい取り付け、滑り止めも付けました。また、24時間観察することができるようにカメラを設置。さらにアーチ型の毛取り器や人工芝で抜け毛が取れるように工夫し、オリーヴァやロータスよりも高価な爪研ぎを置くなど、できる限りタビーが不自由のない生活ができるよう工夫していました。


そして2024年、タビーは16歳になりました。16歳のマヌルネコがいると聞いた私はよたよた姿を想像していましたが、実際に見てみると私の思っている以上に元気な姿をしていました。運動場でひっくり返り日向ぼっこをする姿がとても可愛らしく、写真を撮ったとたんに起き上がり「シャーッ!」と怒られた日を今でも思い出します。
2022年から非展示になっていましたが、マヌルネコ舎に入る際、来園者の方々から「タビーは元気?」「調子はどう?」「タビーびん楽しみにしてるね」と声をかけていただき、タビーはとても愛されているなぁと日々実感していました。今までタビーを可愛がってくれた皆様、本当にありがとうございました。
長生きをしてくれたおかげで、私たち飼育係は高齢動物のケアについてタビーを通して学ぶことができました。動物園動物の高齢化が進んでいる今、この経験を通して動物の飼育管理に努めたいと思います。
タビー今までありがとう!

清水飼育係より
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