研究活動ってなにしてる?
茅野飼育係
2022年10月7日
日中はまだ暖かい日もありますが、日が暮れると気温が低くなり秋を感じられるようになってきました。
秋といえば…食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋、勉強の秋など秋に結びつく言葉がたくさんあります。今回は勉強の秋にちなんで、動物園の研究活動についてご紹介します。
動物園の活動としてあまり目には見えないため動物園って研究活動もしていたの?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は動物園の役割の1つに「調査・研究」があります。少し詳しく研究活動について紹介したものがありますので、こちらもご覧ください。
埼玉県こども動物自然公園では今年度も大学などの研究機関と共に研究活動をおこなっています。今回は毎年さまざまな種で調査を実施していただいている麻布大学との活動について紹介していきます。
麻布大学とは数年前から一緒に研究活動をおこなっており、飼育係が気になっていることや、疑問に思っていること、学生が調べてみたいことなど調査をしてくれています。今年度もクオッカ、フンボルトペンギン、キリン、マヌルネコ、ウシなどさまざまな動物を対象に調査していただいています。
中でも今回はクオッカの研究について少し紹介していきます。
クオッカは日によって放飼場を広く活用するときや、逆にあまり放飼場に出たがらないときがあります。担当飼育係はクオッカが放飼場に出たがらない要因を気温が高いためや、日差しが強いためと考えていました。しかしこれは飼育係が日々の観察の中で推測したことであり、本当にそうなのかは分かりません。そこでクオッカにとってどの環境要因が放飼場の空間利用に影響を与えているかを調査するため麻布大学に依頼し、日かげと日なたの気温、湿度、照度、紫外線量や風速などの環境要因を測定し、クオッカが展示時間中どこで過ごしているかを調べることで、その要因を科学的に調査してもらうこととなりました。
現在データを採取中で、季節の影響も見るため1年間にわたってデータをとっています。長期の観察のため学生は観察やデータ解析が大変だと思いますが、科学的にクオッカの空間利用に及ぼす影響が分かれば、今後の飼育管理や展示方法にも活用できる貴重なデータとなります。来年度には結果が出ていると思いますのでお楽しみに!
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