ヤブイヌ「ミコト」のリハビリ日記(最終回)
齋藤飼育係
ヤブイヌ「ミコト」のリハビリ日記 ①
ヤブイヌ「ミコト」のリハビリ日記 ②
ヤブイヌ「ミコト」のリハビリ日記 ③
2023年3月31日
こんにちは!前回ヤブイヌのミコトについて、室内放飼ができたところまで書かせていただきました。今回は、その後のミコトをお知らせしたいと思います。
3月になり暖かい日が続いています。外はポカポカでとても気持ちがいいですね。そろそろミコトも外に出たくなってきたのではないでしょうか?
2月中旬に、隔離されたスペースから室内開放に踏み切りました。あれから毎日練習をしてミコトはとても上手に歩けるようになりました。最初は脱臼してしまった右後肢の膝を曲げる感覚が戻っていなかったようで、歩様が絡まってしまったり、走ると右後肢を使わずに3本脚になってしまったりと見ていて不安になることもありました。しかし、さすが野生動物のミコト!1週間もすれば、今の環境に順応することができ、右後肢を使って歩くことができるようになりました!!
写真のように尻尾がピンと上に立っている時は歩様が上手くできている時です(ご機嫌な時も尻尾は上に立っています)。脱臼していた頃は、尻尾が下に下がり、腰も丸くなっている状態が多いようでした。そのため、腰が落ちずに歩けているか、顔を上げて歩けているかを基準に歩様チェックをしていました。
そして3月中旬に、室内開放のリハビリも次の段階へ移行します。次の段階とは、、、。そうです!『外』の放飼場です!しかし、ミコトはまだリハビリ中のため、安全にリハビリを行えるよう放飼場を急ピッチで整備しました~
まず注意したことは、段差を無くすことです。脱臼後のリハビリでは、なるべく段差を無くし、脚に大きな負担がかからないように配慮します。そのため、室内から外に出る出入口にスロープを作り段差を無くしました。その次は、広さの調節です。いきなり広いスペースにすると、ミコトは興奮しやすいため走る可能性が考えられます。そのため走れない程の広さで仕切りを作り、順に広げられるように工夫しました。準備完了です!そして、外に出す練習が始まりました。1日1回、獣医の立ち合いのもと、私が見ている間で行います。私たちは、外にすぐ出て走ってしまうことを危惧していました。しかし、ミコトは予想外に外に出ず、出入口付近でうろうろすること3日が経ってしまいました。昔使っていた放飼場ですが、緊張してしまったようです。
そして、3月20日。ついにその時は来ました!外の放飼場に出ることができたのです。右後肢の膝蓋骨脱臼が判明してから約7か月半ぶりです!ミコト本当に頑張ったな~と嬉しい気持ちでいっぱいになりました。なによりも、ミコトは楽しそうに太陽の光を浴び、地面の上を走っています。土の感触にも3日で慣れ、走るときにも4本の脚を使えるようになってきました。
少しわかりにくいですが、1か月前の室内リハビリの時よりも、膝が曲がるようになっています。これは、筋肉量が増え、右後肢を使う感覚が戻ってきていることがわかります。
そして1週間がたち、3月27日。リハビリの段階を上げるため、仕切りを半分取り、放飼場全面に行き来できるようにしてみました。最初ミコトはまたもや仕切りの変化に驚き、なかなか出てきてくれませんでした(笑)さぁ、外に出てきたら歩様確認です!1週間でかなり右後肢を使えるようになりました。状態はとても良好と言えます。その様子を見ていた獣医さんから「放飼場全面に開放して、池の水も入れてみましょう」とお言葉をいただき、ついに、リハビリ前の状態に戻すことができました!!ミコトはすごく楽しそうです。でも、あんまり爆走はしないでね。
今は、1日に2回ほど時間を決めて外に出る練習をしているため、まだ、皆さまにミコトの姿をお見せすることはできません。今後は、ミコトの様子を見てリハビリを進めていく予定です。ですが、ミコトが走っている姿をお見せできる日は確実に近づいています!今後も、ミコトの応援をどうぞよろしくお願いします。最後まで、ご愛読ありがとうございました!
ミコトのリハビリ記録を動画に残しました。ぜひ、ご覧ください。
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